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総合型・推薦型選抜エクストラ3月25日号

2026年度入試は私立大の学校推薦型に注目

総合型選抜情報

◆2025・26年度も入学者比率・志願者数は増加傾向

国公私立大を問わず、総合型選抜の重要性はもはや言うまでもないことだろう。入学者比率・志願者数ともに増加傾向となっており、その傾向はしばらく続くのではないかと予測している。多くの大学が成績基準を設定していないため、受験生にとっては活用しやすい入試ともなっている。

総合型では人物の個性・能力に重きをおいており、選抜方法も模擬授業・プレゼンテーションなど、独自の方法を取り入れている大学も多い。そのため、生徒だけで入試対策を行うのは難しく、先生方の指導やアドバイスは欠かせないものとなっている。書類の作成、面接・プレゼンテーション等の対策など、きめ細かな入試対策が必要となる入試だけに、進路指導の負担も大きくなるが、それだけ総合型選抜が大学入試において重要な柱となっていることにもなる。

2025・26年度も入学者比率・志願者数は増加傾向になると予測しており、大学入試の先陣をきってスタートする総合型をどう活用していくかが、生徒にとっては非常に重要となってくる。保護者の方も早期に合格を確保したいという考えが多くあり、総合型を上手く活用していくことが、今後の大学入試ではより重要になるのではないかと考える。

国公私立大別の2025年度入試のまとめと2026年度入試の展望をまとめておく。

<国立大>
2025年度入試は実施大学66校(81.5%)、実施学部296学部となっており、着実に増加している。入学者比率は2024年度が6.1%(前年度5.9%)とここ5年右肩上がりとなっている。2025年度は全体の募集人員が前年より約千人も増加しており、入試統計はまだ集計中だが、志願者数が増加していることはほぼ間違いないだろう。また、工学系の女子枠増加もかなり多かったが、この女子枠に関しては志願者が集まっている大学と、そうでない大学にかなりはっきりと分かれている結果になっており、今後も課題が残る形となっているのかもしれない。
 2026年度入試も多くの大学で新規実施する学部・学科があり、入試内容を変更する学部も多いので入試情報には十分注意してもらいたい。また、国立大では後期日程を廃止し、総合型の募集人員を増加している大学も多い。ただ、学校推薦型に比べると募集枠はまだ小さいので、競争率も比較的高く、年度によってかなり変動するので、入試結果もしっかりとチェックしてもらいたい。そして、共通テストを課す総合型も4割以上の学部で実施されており、2年目となる「情報」もより重要となる可能性がある。特に、最終の共通テストで得点が足りず不合格となる受験生も見受けられるので、共通テスト対策にも万全を期してもらいたい。
<公立大>
2025年度入試は実施大学45校(47.4%)、実施学部97校と前年より実施大学数が大幅に増加している。入学者比率は2024年度が4.5%(前年度4.1%)とこちらも若干ではあるが上昇している。2025年度は新規実施校が5校あり、入試統計はまだ集計中だが、志願者数も増加していることはほぼ間違いないだろう。ただ、全般的には国立大・私立大に比べると、まだまだ積極的に実施されているという状況ではない。また、公立大の地元枠というものもほとんどなく、多くの大学が全国枠で実施されているというのも学校推薦型との大きな違いだろう。
 2026年度入試も大きな変化というものはあまりないと予測している。公立大においては、共通テストを課す総合型は少数ではあるが、増加傾向にはなっているので注意してもらいたい。また、募集枠が小さいことから、競争率はかなり高くなっているので、志望大学・学部の志願者数の推移なども十分注意してもらいたい。
<私立大>
2025年度入試は実施大学551校(94.7%)、実施学部1,990学部で実施大学は前年より4校増加している。入学者比率は2024年度が19.0%(前年度17.3%)となっており、2025年度には20%の大台に乗っている可能性もある。入試統計はまだ集計中だが、志願者数もほぼ間違いなく増加しているだろう。2025年度入試では探究学習を活用した大学・学部がかなり増加している。また、地方の大学は総合型に力を入れている大学も多い。子どもの数がこれから減少していくことを考えれば、大学入試の先陣をきる総合型で受験生をある程度確保したいという考えもあって当然だろう。ただ、青田買いということになることだけは避けてもらいたい。
 2026年度入試も新規実施する大学・学部がまだ出てくると思われる。総合型に関しては、各大学ともまだ試行錯誤の部分があり、毎年ではあるが変更点がかなり多いので、入試情報には十分注意してもらいたい。また、総合型では離島出身者や児童養護施設出身者など、地域格差・経済格差を考慮した入試が若干増加している。こういった入試は今後も増加してもらいたいと考えるので、該当する受験生には積極的に活用させてもらいたい。
 私立大総合型は、ここ数年志願者数が増加傾向となっているが、2026年度入試では受験生の減少などもあり、志願動向には十分注意してもらいたい。また、受験生には前年度の入試結果もしっかりと確認させ、自分の第1志望大学・学部を選ぶうえで参考にしてもらいたい。

学校推薦型選抜情報

◆2026年度入試は私立大の学校推薦型に注目

昨年に実施された東洋大・大東文化大の学校推薦型が話題になったのは、先生方もご記憶に新しいのではないだろうか。ただ、近畿地区では数十年も前から実施されていた方式なので、これをすぐに改めていくというのはなかなか難しい問題ではないかと考える。やはり、時間をかけて丁寧に議論をしていくことが重要ではないだろうか。

学校推薦型選抜は、総合型に比べ学力・成績基準に重きをおいており、その中でも3年間の成績基準は重要視されている。そして、国公私立大問わず、出願条件に成績基準を設定している大学が多い(ただし、私立大近畿地区はあまり多くない)。また、総合型に比べ、筆記試験(学力検査・小論文・共通テスト)を課している大学も多い。また、理系を中心に面接では口頭試問が多く実施されているのも大きな特徴だろう。

2025・26年度入試では、入学者比率・志願者数ともに若干減少すると予測している。これは、総合型に志願者数が流れている分、学校推薦型の志願者数が減少していると考えられる。また、私立大では難関私立大・有名私立大の多くが学校推薦型は指定校制のみという状況でもある。ただ、ここ数年で公募制推薦を復活させている私立大も少しずつではあるが増加している。

いずれにしても、受験生には総合型・学校推薦型を上手く活用させることが、第1志望合格に大きく近づくこととなる。ただ、そういった対策や判断は受験生だけではできない。先生方の指導やアドバイスがより重要となってくることは間違いないので、先生方におかれても、大学入試の情報には注目していってもらいたい。

国公私立大別の2025年度入試のまとめと2026年度入試の展望をまとめておく。

<国立大>
2025年度入試は実施大学76校(93.8%)、実施学部数320学部となっており、前年度とほぼ変わっていない。実施しないのは北海道大、弘前大、東北大、東京芸術大、奈良教育大の5校。入学者比率は2024年度が12.4%(前年度12.3%)と若干の増加。ただ、入学者比率・志願者数ともに横ばいの状態が続いており、入試統計はまだ集計中だが、2025年度入試もさほど変わらないと予測している。
 2026年度入試も大きな動きはないと思われるが、各大学・学部とも細かな変更点はあるので注意してもらいたい。また、ここ数年で目立っているのが、出願条件で成績基準の設定を下げている大学が増加傾向にあることだろう。国立大は、元々出願条件のハードルが高かったので、少し成績基準を下げるくらいの方が良いのではと考えられる。そして、共通テストを課す推薦は6割近くとなる。国立大においては、どの入試区分で受験するかは関係なく、受験生には共通テスト対策をしっかりと指導してもらいたい。
<公立大>
2025年度入試は実施大学94校(98.9%)、実施学部数249学部となっており、前年度とほぼ変わっていない。実施しないのは京都市立芸術大の1校のみ。入学者比率は2024年度が26.0%(前年度26.0%)とこちらも変動がない。公立大の入試は、良くも悪くもあまり変動がないというのが現状である。
 2026年度入試も大きな動きはないと思われるが、共通テストを課す推薦が若干増加傾向にあるので注意してもらいたい。また、公立大は地元枠・全国枠の2枠で実施されていることが多く、全国枠の方が競争率は高くなっている傾向があるので十分留意してもらいたい。そして、国立大同様、1校からの推薦人数を制限している大学はまだまだ多いので、受験生には国公立大を志望する場合には、早めに担任や進路指導の先生方に相談することも指導してもらいたい。
<私立大>
2025年度入試は実施大学501校(86.1%)、実施学部数1,756学部となっており、前年度より若干増加している。入学者比率は2024年度が40.3%(前年度41.4%)と若干の減少。やはり募集人員・志願者数ともに総合型に流れている傾向がある。そういった中で、公募制推薦を復活させている大学も数校ある。ただ、公募制推薦に関しては、中部地区、近畿地区を除き、あまり活用されていないというのが実情ではないだろうか。
 2026年度入試は、昨年の東洋大・大東文化大の話題もあり、公募制推薦を見直す大学が出てくる可能性はあるだろう。ただ、どの大学も周りの反応を見てということになりそうなので、すぐには変更しないのではないかと予測している。ここ数年はあまり変更がなかった公募制推薦だったが、2026年度入試では大きな変更をしてくる大学が出てくる可能性はあるので、入試情報には十分注意してもらいたい。

ニュースフラッシュ

◆2025年度国公立大2段階選抜状況(前期日程)の概要

国公立大の2025入試で前期における第1段階選抜不合格者数は4,459人で、前年度同日程より46名増となり、4年連続でかなりきびしくなった。事前の予告大は国立大が45校132学部、公立大が22校48学部だったが、実際に実施したのは国立大が27校49学部、公立大が9校12学部であった。

2段階選抜の取り止め及び緩和により第1段階選抜合格となった者の数等をみると、次のとおりであった。

(A)予告どおりの倍率で
実施した場合の不合格数
(B)実際の第1段階選抜
不合格者数
(C)取り止め及び緩和で
第1段階合格となった者数
国立大 3,679人 3,444人 235人
公立大 1,325人 1,015人 310人

上記C欄の内訳をみると、取り止めた大学・学部等が国立大6校7学部(その人数79人)、公立大4校4学部(同38人)、そして緩和したケースは国立大が9校17学部(同156人)、公立大は3校4学部(同272人)となった。

実施予告を行った大学で実際に第1段階選抜を不合格となった人数をあげると次のようであった。

<国立大>
弘前大59人、東北大12人、秋田大84人、筑波大63人、群馬大141人、千葉大113人、東京大893人、東京科学大429人、一橋大258人、富山大212人、浜松医科大60人、名古屋大16人、滋賀医科大124人、京都大66人、大阪大22人、神戸大19人、鳥取大21人、岡山大52人、広島大26人、徳島大12人、愛媛大186人、高知大80人、長崎66人、熊本大121人、大分大103人、宮崎大112人、鹿児島大94人
<公立大>
山形県立保健医療大9人、福島県立医科大12人、千葉県立保健医療大30人、東京都立大772人、横浜市立大70人、名古屋市立大26人、大阪公立大8人、奈良県立医科大8人、和歌山県立医科大80人

全般的にみれば、医学部での不合格が中心で、国立大では東京大、公立大では東京都立大の不合格者が群を抜いている。また、前年度1次不合格者数ゼロから大幅に増加したのは富山大、滋賀医科大、宮崎大などがあげられる。

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