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AO・推薦入試エクストラ4月25日号

AO入試対策:2018生徒指導スタートのポイント

AO入試情報

◆AO入試対策:2018生徒指導スタートのポイント

2018年度入試に向けスタートを切るに当たり、AO入試対策に関する基本的な指導ポイントを整理しておこう。言うまでもなく、大学によりAO・推薦の実施状況は異なる。AO入試のみでは志望校の選択範囲は限られる(特に国公立大)。AO・推薦・一般入試の3区分を通して受験態勢を確立し、最終的には一般入試のための学習対策を貫徹する姿勢が大切であることを早い段階から十分生徒に周知しておくことが肝心だろう。

その上で、AO入試を活用させる際のキーポイントとして、次のような事柄があげられる。

  • (1)第1志望校(学部・学科)を早期に確定すること。AO入試の多くは専願制で実施される(私立大では8割程度が専願制)。入学して悔いのない大学・短大であることが、生徒の将来にとって重要である。
  • (2)AO入試は、個性豊かな学習や活動に取り組んでいる生徒に向く。多様な生徒の中には、いわゆる受験のための学習にはさほど熱意はないが、ユニークな自主研究や課外活動・資格取得には情熱を注ぐ者も多い。そうした若者にとって、人物重視型のAO入試は最適の受験ルートになる。
  • (3)大学入学後、また大学卒業後にやりたいことが明確であること。AO入試では大学入学の目的や計画、将来のヴィジョンがきびしく問われるので、高3の早い段階で、将来を含めた進路計画ができている生徒に向く。中堅私立大群の場合、推薦入試の成績基準や合格者レベルには届かなくても、入学熱意や大学生活への目的観などによって、AO入試で合格できるケースも多々ある。
  • (4)AO入試の選考法は多彩で、生徒に向くパターンの選択に留意させること。多くの書類のほか、面談・面接、課題レポート、小論文、集団討論、スクーリング、センター試験など様々な選考法があり、生徒の個性・能力に適した選考法のチェックにも注意させる必要がある。特に国立大志望者にとっては、年間を通してセ試対策を貫徹することが大切であるが、京都大、大阪大の導入を契機にAO実施校が増える傾向にあり、AO戦線には新たな展開がみられそうだ。

なお、7月上旬には弊社の全国大学・短期大学「AO入試年鑑」が発行されるので、これも生徒の啓発に役立ててほしい。

◆AO入試による大学入学状況(入学者比率)

この10数年で、AO入試の実施状況は格段に進展したが、設置者別にみると、それぞれの入学者比率・入学者数には大きな差異がみられる。2015年度(2016年度は未公表)の文部科学省統計によると、AO入学者が全体に占める比率は、下記グラフのとおりとなっている。


AO入試区分の大学入学者比較


文科省による入試結果の統計は、例年秋ごろ公表されるが、2016年度は未公表なので、ここでは2015年度の統計を示した。前年の2014年度と比べ、国立大は全体の入学者は微減、AO入学者数は微増で、AO入学者比率は前年より0.1ポイント上昇して2.7%であった。公立大は全体の入学者数、AO入学者数ともかなり増加して、AO入学者比率は2.0%→2.2%へ若干上昇した。

私立大の場合、全体の入学者数が約8千5百人、AO入学者数が約2千人増加し、AO入学者比率は、前年の10.3%から10.5%へ増加し、初めて5万人の大台に達している。

一方、短大では公立・私立とも入学者数が減少し続けているが、私立短大におけるAO入学者比率はこの3年で19.8%→21.2%→21.9%と大幅に高まっていることが注目される。

推薦入試情報

◆推薦入試対策:2018生徒指導スタートのポイント

2018年度入試に向けてスタートを切るに当たり、推薦入試に関する基本的な対策・指導の主要ポイントを整理しておこう。言うまでもなく、推薦入試は国公私を問わず、導入率が高く、実施学部も豊富なので、現役合格の確保には欠かせない受験ルートだが、最終的には一般入試の学習対策も貫徹する姿勢が大切であることを早い段階から十分生徒に周知しておくことがきわめて大切である。

その上で、推薦入試を活用させる場合のキーポイントとして、次のような事柄があげられよう。

  • (1)国公立大は全て専願制だが、私立大には専願制・併願制の2タイプがあること。当然ながら、専願制のケースは第1志望であることが望ましく、入学して悔いの生じない大学・短大であることが、生徒の将来を大きく左右する。併願制のケースは、中部・近畿・中四国に多く、複数校の併願も可能だが、やはり志望熱意の高い大学・学部を選択するのが原則だ。
  • (2)一般推薦・ユニーク推薦の2タイプがあること。募集枠からみれば一般推薦が主流で、このタイプではやはり一定程度以上の成績水準(3.0~3.5以上)が必要になるので、前期の校内テストにはベストを尽くすよう指導しておきたい。ただし、学力試験を主要な選考法とするケース(特に近畿地区)は、成績基準を設けないのが一般的だ。いずれにしても、第1志望校の成績基準は、3年次の早い段階で確認させておく必要がある。
     一方、ユニーク推薦は、自主的な特別・課外・社会活動や各種の検定資格等の実績を持つ者に向く。推薦入試が多様な個性・資質・キャリアを受け入れる入試ルートであること、上位私立大群も活発に導入していることを周知しておきたい。
  • (3)学習・生活の両面でまじめさが必要なこと。推薦入試は調査書によって、高校時代の学習状況(所見含む)と出席状況その他の生活態度をきびしく検証する入試である。成績が志望校の基準を満たさない者はむろん、欠席日数がきわめて多い者、出席停止の記録がある者などは推薦入試の活用は難しい。
  • (4)主要な選考法は、調査書プラス面接(口頭試問含む)、小論文、学力試験、実技の4タイプ。志望校の選考法を十分研究し、ふだんから基礎学力強化を含め万全の対策を徹底することが大切である。また、国公立大志望者は年間を通してセ試対策にもベストを尽くすことも肝要だろう。

◆推薦入試による大学入学状況(入学者比率)

推薦入試制度の歴史は長く、国公私立大・短大それぞれで定着している。2015年度(2016年度分は未公表)の文科省統計によると、指定校制を含む入学者比率(推薦入学者数)は、下記グラフのとおりとなっている。


推薦入試区分の大学入学者比較


国立大は2012~14の推薦入学者比率が12.4%→12.3%→12.2%と若干低下傾向がみられ、年度ごと100人程度ずつ減少していたが、2015年度も減少し、比率は12.1%となった。公立大は、前年度に続き、全体・推薦入学者数ともにやや増加し、推薦入学者比率は24.1%→24.0%と若干低下した。私立大の場合は、かなり変動している。全体の約8千5百人増に対して、推薦入学者数も約5千人増加して、推薦入学者比率は39.7%→40.1%と再び4割を回復した(一般入学比率が低下)。

一方、短大の方は公私とも全体の入学者数、推薦入学者数が減少しているが、入学者比率は公立が41.5%→42.3%、私立が61.3%→62.1%へ上昇している。

ニュースフラッシュ

◆平成30年4月開設予定の大学、学部・学科等申請状況

文科省は本年3月末までに申請のあった「平成30年度開設予定の大学等の設置認可」に関する諮問状況を以下のとおり公表した。

<大学を設置するもの>公立2校、私立3校

■公立小松大学(石川県小松市)
生産システム科学部=生産システム科学科80、保健医療学部=看護学科50、臨床工学科30、国際文化交流学部=国際文化交流学科80
■長野県立大学(長野県長野市)
グローバルマネジメント学部=グローバルマネジメント学科170、健康発達学部=食健康学科30、こども学科40(長野県短期大学は募集停止)
■育英大学(群馬県高崎市)
教育学部=教育学科児童教育専攻50・スポーツ教育専攻50
■東京通信大学(通信教育課程/東京都新宿区)
情報マネジメント学部=情報マネジメント学科400、人間福祉学部=人間福祉学科400
■新潟食糧農業大学(新潟県新潟市・胎内市)
食料産業学部=食料産業学科180

<短期大学を設置するもの>2校

■仙台赤門短期大学(宮城県仙台市)
看護学科80
■姫路大学短期大学部(兵庫県姫路市)
教育福祉学科40(他に通信教育課程500)

<学部を設置するもの>22校

■名古屋市立大学
総合生命理学部=総合生命理学科40
■島根県立大学
人間文化学部=保育教育学科40、地域文化学科70(看護学部→看護栄養学部へ名称変更)
■山陽小野田市立山口東京理科大学
薬学部=薬学科120
■北海道科学大学
薬学部=薬学科180(北海道薬科大学薬学部は募集停止)
■常磐大学
看護学部=看護学科80
■日本ウェルネススポーツ大学
スポーツプロモーション学部=スポーツプロモーション学科75
■国際医療福祉大学
赤坂心理・医療福祉マネジメント学部=心理学科60、医療マネジメント学科60
■東都医療大学
管理栄養学部=管理栄養学科80
■和洋女子大学
看護学部=看護学科100
■大妻女子大学
健康美学部=健康美学科85
■駒沢女子大学
看護学部=看護学科80
■創価大学
通信教育部/文学部=人間学科750
■目白大学
メディア学部=メディア学科150(社会学部メディア表現学科は募集停止)
■名古屋学芸大学
看護学部=看護学科100
■京都外国語大学
国際貢献学部=グローバルスタディーズ学科100、グローバル観光学科120(外国語学部国際教養学科は募集停止)
■関西医科大学
看護学部=看護学科100
■甲南女子大学
医療栄養学部=医療栄養学科80
■岡山理科大学
獣医学部=獣医学科160、獣医保健看護学科60(愛媛県今治市)
■山陽学園大学
地域マネジメント学部=地域マネジメント学科60
■広島文化学園大学
人間健康学部=スポーツ健康福祉学科120(社会情報学部は募集停止)
■九州産業大学
人間科学部=臨床心理学科70、子ども教育学科80、スポーツ健康科学科80
■西九州大学
地域看護学部=地域看護学科90

<短期大学の学科を設置するもの>3校

■金沢学院短期大学
幼児教育学科50
■愛知みずほ大学短期大学部
現代幼児教育学科50
■東大阪大学短期大学部
介護福祉学科80

<学部の学科を設置するもの>5校

■東北学院大学
文学部=教育学科50
■大東文化大学
スポーツ・健康科学部=看護学科100(環境創造学部は募集停止)
■東京家政大学
看護学部=リハビリテーション学科作業療法学専攻40・理学療法学専攻40(看護学部→健康科学部へ名称変更)
■金沢学院大学
文学部=教育学科100
■立命館大学
国際関係学部=アメリカン大学・立命館大学国際連携学科25

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