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AO・推薦入試エクストラ4月25日号

AO入試対策:2019生徒指導スタートのポイント

AO入試情報

◆AO入試対策:2019生徒指導スタートのポイント

2019年度入試に向けスタートを切るに当たり、AO入試対策に関する基本的な指導ポイントを整理しておこう。言うまでもなく、大学によりAO・推薦の実施状況は異なる。AO入試のみでは志望校の選択範囲は限られる(特に国公立大)。AO・推薦・一般入試の3区分を通して受験態勢を確立し、最終的には一般入試のための学習対策を貫徹する姿勢が大切であることを早い段階から十分生徒に周知しておくことが肝心だろう。

その上で、AO入試を活用させる際のキーポイントとして、次のような事柄があげられる。

  • (1)第1志望校(学部・学科)を早期に確定すること。AO入試の多くは専願制で実施される(私立大では8割程度が専願制)。入学して悔いのない大学・短大であることが、生徒の将来にとって重要である。
  • (2)AO入試は、個性豊かな学習や活動に取り組んでいる生徒に向く。多様な生徒の中には、いわゆる受験のための学習にはさほど熱意はないが、ユニークな自主研究や課外活動・資格取得には情熱を注ぐ者も多い。そうした若者にとって、人物重視型のAO入試は最適の受験ルートになる。
  • (3)大学入学後、また大学卒業後にやりたいことが明確であること。AO入試では大学入学の目的や計画、将来のヴィジョンがきびしく問われるので、高3の早い段階で、将来を含めた進路計画ができている生徒に向く。中堅私立大群の場合、推薦入試の成績基準や合格者レベルには届かなくても、入学熱意や大学生活への目的観などによって、AO入試で合格できるケースも多々ある。
  • (4)AO入試の選考法は多彩で、生徒に向くパターンの選択に留意させること。多くの書類のほか、面談・面接、課題レポート、小論文、集団討論、スクーリング、センター試験など様々な選考法があり、生徒の個性・能力に適した選考法のチェックにも注意させる必要がある。特に国立大志望者にとっては、年間を通してセ試対策を貫徹することが大切であるが、京都大、大阪大の導入を契機にAO実施校は着実に増加しており、AO戦線には新たな展開がみられそうだ。

なお、7月上旬には弊社の全国大学・短期大学「AO入試年鑑」が発行されるので、これも生徒の啓発に役立ててほしい。

◆AO入試による大学入学状況(入学者比率)

この10数年で、AO入試の実施状況は格段に進展したが、設置者別にみると、それぞれの入学者比率・入学者数には大きな差異がみられる。2017年度の文部科学省統計によると、AO入学者が全体に占める比率は、下記グラフのとおりとなっている。


AO入試区分の大学入学者比較


文科省による2017年度入試結果統計によると、2016年度と比べ、国立大は全体の入学者は微増、AO入学者数は455人増で、AO入学者比率は前年より0.5ポイント上昇して3.3%であった。公立大は全体の入学者数、AO入学者数とも増加して、AO入学者比率は2.2%→2.4%へ若干上昇した。

私立大の場合、全体の入学者数は約8千5百人、AO入学者数が約1千5百人増加し、AO入学者比率は、前年の10.6%から10.7%へ増加している。

一方、短大では公立・私立とも入学者数が減少し続けているが、私立短大におけるAO入学者比率はこの3年で21.9%→22.9%→24.8%と大幅に高まっていることが注目される。

推薦入試情報

◆推薦入試対策:2019生徒指導スタートのポイント

2019年度入試に向けてスタートを切るに当たり、推薦入試に関する基本的な対策・指導の主要ポイントを整理しておこう。言うまでもなく、推薦入試は国公私を問わず、導入率が高く、実施学部も豊富なので、現役合格の確保には欠かせない受験ルートだが、最終的には一般入試の学習対策も貫徹する姿勢が大切であることを早い段階から十分生徒に周知しておくことがきわめて大切である。

その上で、推薦入試を活用させる場合のキーポイントとして、次のような事柄があげられよう。

  • (1)国公立大は全て専願制だが、私立大には専願制・併願制の2タイプがあること。当然ながら、専願制のケースは第1志望であることが望ましく、入学して悔いの生じない大学・短大であることが、生徒の将来を大きく左右する。併願制のケースは、中部・近畿・中四国に多く、複数校の併願も可能だが、やはり志望熱意の高い大学・学部を選択するのが原則だ。
  • (2)一般推薦・ユニーク推薦の2タイプがあること。募集枠からみれば一般推薦が主流で、このタイプではやはり一定程度以上の成績水準(3.0~3.5以上)が必要になるので、前期の校内テストにはベストを尽くすよう指導しておきたい。ただし、学力試験を主要な選考法とするケース(特に近畿地区)は、成績基準を設けないのが一般的だ。いずれにしても、第1志望校の成績基準は、3年次の早い段階で確認させておく必要がある。
    一方、ユニーク推薦は、自主的な特別・課外・社会活動や各種の検定資格等の実績を持つ者に向く。推薦入試が多様な個性・資質・キャリアを受け入れる入試ルートであること、上位私立大群も活発に導入していることを周知しておきたい。
  • (3)学習・生活の両面でまじめさが必要なこと。推薦入試は調査書によって、高校時代の学習状況(所見含む)と出席状況その他の生活態度をきびしく検証する入試である。成績が志望校の基準を満たさない者はむろん、欠席日数がきわめて多い者、出席停止の記録がある者などは推薦入試の活用は難しい。
  • (4)主要な選考法は、調査書プラス面接(口頭試問含む)、小論文、学力試験、実技の4タイプ。志望校の選考法を十分研究し、ふだんから基礎学力強化を含め万全の対策を徹底することが大切である。また、国公立大志望者は年間を通してセ試対策にもベストを尽くすことも肝要だろう。

◆推薦入試による大学入学状況(入学者比率)

推薦入試制度の歴史は長く、国公私立大・短大それぞれで定着している。2017年度文科省統計によると、指定校制を含む入学者比率(推薦入学者数)は、下記グラフのとおりとなっている。


推薦入試区分の大学入学者比較


国立大の推薦入学者比率は若干低下傾向がみられ、年度ごとに減少しているが、2017年度も減少し、比率は12.2%となった。公立大は、前年度に続き、全体・推薦入学者数ともにやや増加し、推薦入学者比率は24.4%→24.4%と変動はなかった。私立大の場合は、かなり変動している。全体の約8千5百人増に対して、推薦入学者数も約5千人増加して、推薦入学者比率は40.1%→40.5%と4割台をキープしている(一般入学比率が低下)。

一方、短大の方は公私とも全体の入学者数、推薦入学者数がともに減少し、推薦入学者比率も公立は43.5%→42.3%、私立が61.9%→60.6%に減少している(私立短大はAO入学者比率が増加)。

ニュースフラッシュ

◆平成31年4月開設予定の専門職大学・短大の申請状況

文科省は2017年12月末までに申請のあった「平成31年度開設予定の専門職大学・短大」に関する申請状況を以下のとおり公表した。

<専門職大学を設置するもの>13校

■国際工科専門職大学(東京都新宿区、愛知県名古屋市、大阪府大阪市)
東京工科学部=先端情報工学科120・カーデザイン学科38・デジタルエンタテインメント学科80、大阪工科学部=先端情報工学科80・カーデザイン学科38・デジタルエンタテインメント学科38、名古屋工科学部=先端情報工学科80・カーデザイン学科30・デジタルエンタテインメント学科38
■国際ファッション専門職大学(東京都新宿区、愛知県名古屋市、大阪府大阪市)
国際ファッション学部=ファッションクリエイション学科80・ファッションビジネス学科38・大阪ファッション学科38・名古屋ファッション学科38
■専門職大学 東都学院大学(東京都目黒区、神奈川県茅ケ崎市)
保健医療学部=理学療法学科80
■東京医療福祉専門職大学(東京都新宿区)
医療福祉学部=生命医療学科救急救命コース40・臨床工学コースⅠ40・臨床工学コースⅡ40・口腔歯科コースⅠ40・口腔歯科コースⅡ40、医療技術学科理学療法コースⅠ60・理学療法コースⅡ40・作業療法コースⅠ40・作業療法コースⅡ40・言語聴覚コース40・視能療法コース40、東洋医療学科鍼灸コースⅠ(昼)30・鍼灸コースⅡ(夜)30・柔道整復コースⅠ(昼)30・柔道整復コースⅡ(夜)30、福祉心理学科社会福祉・精神保健福祉コース40/社会福祉・精神保健福祉・介護福祉コース40、看護保健学部=高度看護学科高度看護コースⅠ160・高度看護コースⅡ60
■東京専門職大学(東京都江東区)
医療福祉学部=リハビリテーション学科理学療法専攻(昼)80・理学療法専攻(夜)40・作業療法専攻(昼)80・作業療法専攻(夜)40・福祉介護イノベーション学科40
■金沢専門職大学(石川県白山市)
職業経営学部=職業経営学科80
■名古屋医療福祉専門職大学(愛知県名古屋市)
医療福祉学部=生命医療学科救急救命コース40・臨床工学コース40・口腔歯科コースⅠ40・口腔歯科コースⅡ40、医療技術学科理学療法コースⅠ40・理学療法コースⅡ40・作業療法コースⅠ40・作業療法コースⅡ40・言語聴覚コース40・視能療法コース40、東洋医療学科鍼灸コースⅠ(昼)30・鍼灸コースⅡ(夜)30・柔道整復コースⅠ(昼)30・柔道整復コースⅡ(夜)30、福祉心理学科社会福祉・精神保健福祉コース38、看護保健学部=高度看護学科高度看護コースⅠ(昼)120・高度看護コースⅡ(夜)40
■京都専門職大学(京都府京都市)
実践栄養調理学部=栄養マネジメント学科60・和食ビジネス学科30
■大阪医療福祉専門職大学(大阪府大阪市)
医療福祉学部=生命医療学科救急救命コース40・臨床工学コース40、医療技術学科理学療法コースⅠ40・理学療法コースⅡ40・作業療法コースⅠ40・作業療法コースⅡ40・言語聴覚コース40・視能療法コース40、東洋医療学科鍼灸コースⅠ(昼)30・鍼灸コースⅡ(夜)30・柔道整復コースⅠ(昼)30・柔道整復コースⅡ(夜)30、福祉心理学科社会福祉・精神保健福祉コース38、看護保健学部=高度看護学科高度看護コースⅠ(昼主体)120・高度看護コースⅡ(夜主体)40
■島根保健福祉専門職大学(島根県仁多郡奥出雲町)
保健科学部=理学療法学科40・作業療法学科30
■岡山医療専門職大学(岡山県岡山市)
健康科学部=理学療法学科80・作業療法学科39
■高知リハビリテーション専門職大学(高知県土佐市)
リハビリテーション学部=リハビリテーション学科理学療法学専攻70・作業療法学専攻40・言語聴覚学専攻40
■福岡専門職大学(福岡県福岡市)
保健医療学部=柔道整復学科80・鍼灸学科40・理学療法学科80・診療放射線学科80・看護学科80

<専門職短期大学を設置するもの>3校

■ヤマザキ動物看護専門職短期大学(東京都渋谷区)
動物トータルケア学科80
■日本歯科専門職短期大学(静岡県磐田市)
歯科衛生学科昼間部40・夜間部40
■大阪調理専門職短期大学(大阪府泉大津市)
食育学科30

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