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総合型・推薦型選抜エクストラ9月25日号

私立大:2022総合型選抜全国統計レポート(2)

総合型選抜情報

◆私立大:2022総合型選抜全国統計レポート(2)

私立大2022総合型選抜における専願区分、成績基準、資格・活動実績基準に関する弊社の統計レポートをお届けする(比率は少数第2位を四捨五入)。

<専願区分> (大学数) (比率)
専願制 444校 69.7%
併願制 159校 25.0%
専・併 20校 3.1%
非公表 14校 2.2%

総合型選抜でも全体の約7割は専願制で実施し、併願制は25.0%だが、AO時代と比べると併願性がかなり増加している。その要因としては、併願制で実施していた自己推薦入試の移行、近畿地区の公募制推薦(併願)が総合型選抜に移行したことがあげられる。出願期が早いので、3年次の早期に第1志望校を絞り込んだ生徒でないと、総合型選抜は活用しにくい。

<成績基準> (大学数) (比率)
設定なし 478校 74.6%
複数条件の1つ 17校 2.6%
必須条件 146校 22.8%

学校推薦型選抜との大きな相違点の1つが、成績基準の設定がきわめて少ないことだろう。必須条件としているのは全体の22.8%(前年20.9%)で、約8割は成績基準を設けておらず、多くの志願者が流れ込む最大要因となっている。

<資格・活動実績基準> (大学数) (比率)
設定なし 474校 64.4%
複数条件の1つ 75校 10.2%
必須条件 187校 25.4%

成績基準と異なり、取得資格や活動実績を設定する割合は、複数条件の1つと必須条件を合わせて35.6%と全体の4割近くを占める。逆の見方をすれば、資格や活動実績を持つ生徒には、総合型選抜は現役合格へのパイプとなりうる入試であると言えよう。

ただし、上位私立大群では総合型枠がさほど大きくなく、出願要件と合格可能性を慎重に検討する必要がある。

◆私立大:2022総合型選抜全国統計レポート(2)

ここでは2022総合型選抜の出願条件に関する地区別の弊社統計をご紹介する。各地区の特徴を十分把握しておいてほしい。

<専願区分>
地区
区分
北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
専願制
42校 155校 72校 94校 39校 42校
併願制
8校 73校 29校 34校 5校 10校
専・併
0校 4校 2校 13校 1校 0校
非公表
1校 8校 1校 2校 0校 2校

学校推薦型選抜では併願制が主流の中部・近畿・中四国地区においても、総合型選抜は専願制主流なので要注意。一方、関東地区の学校推薦型選抜は専願制が主流だが、総合型選抜では併願制も全体の30.4%とかなり多い。

<成績基準>
地区
区分
北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
設定なし
46校 176校 77校 100校 37校 42校
複数条件の1つ
0校 9校 0校 4校 1校 3校
必須条件
7校 55校 26校 36校 10校 12校

成績基準を必須条件として設けるケースは、かつては近畿地区が最も多かったが、近年は関東地区で36校→39校→50校→55校と急速に増加している。ただ、一部の有名私大を除き、全般的に総合型選抜の基準は緩やかである。

<資格・活動実績>
地区
区分
北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
設定なし
43校 175校 75校 101校 41校 39校
複数条件の1つ
6校 31校 5校 19校 1校 13校
必須条件
10校 81校 25校 45校 10校 16校

必須条件としての設定率が最も高いのは関東地区で28.2%、次いで近畿地区の27.3%、九州地区の23.5%が高い。

学校推薦型選抜情報

◆国公立大:2021学校推薦型選抜の学部系統別志願動向(統計レポート2)

前号では私立大の志願動向を紹介したが、今号では国公立大の学部系統別志願動向の調査統計もまとめているのでレポートしておきたい。

<国立大>
国立大の学部系統別志願動向は次のとおりであった。
学部統計 志願者数 合格者数 競争率(前年度)
人文科学
1,521人 544人 2.8倍(2.8倍)
社会科学
5,078人 2,204人 2.3倍(2.5倍)
教育・教員養成
6,041人 2,247人 2.7倍(2.8倍)
理学
1,027人 483人 2.1倍(2.1倍)
工学
5,729人 2,714人 2.1倍(2.1倍)
農・水産・獣医
1,978人 902人 2.2倍(2.5倍)
保健・医療
6,097人 2,034人 3.0倍(3.3倍)
生活科学(栄養)
195人 51人 3.8倍(3.7倍)
芸術・スポーツ
568人 280人 2.0倍(2.2倍)
(計)
28,234人 11,459人 2.5倍(2.6倍)

国立大は全て公募制で入試結果の非公表校もないので、弊社集計と11月公表される文科省統計の誤差も小さいとみられる。まず全体的に志願者数の上位をみると、保健・医療系、工学系、教育・教員養成の3分野が約6千人でベスト3を占める。次いで社会科学系の5,078人、農・水産系の1,978人が続いている。理系(理・工・農・保健)の志願者数は約1万5千人で、全体の52.5%を占める。教育・教員養成系が第2位に入っていることは、この分野の志望者は女子が多いこともあり、推薦志向が強いとみられている。

一方、合格者でみると、工学系、教育・教員養成、社会科学系、保健・医療系の順に多い。最も合格者数が少ないのは生活科学系でわずか51人にとどまっている。

その結果、競争率では生活科学系の3.8倍が最も高く、次いで保健・医療系の3.0倍、人文科学系の2.8倍、教育・教員養成系の2.7倍、農・社会科学系の2.3倍の順となっている。理・工学系は倍率が低く、学校推薦型選抜活用の余地がまだ大きいと言ってよい。

◆国公立大:2021学校推薦型選抜の学部系統別志願動向(統計レポート2)

ここでは公立大の2021学校推薦型選抜の志願動向をレポートする。衆知のとおり、公立大は一部で指定校制を実施しており、全体の数値は弊社統計と文科省統計では若干差異が生じることをおことわりしておく。公立大の2021学校推薦型選抜結果の集計状況は以下のとおり。

学部統計 志願者数 合格者数 競争率(前年度)
人文科学
1,890人 727人 2.7倍(2.7倍)
社会科学
6,201人 3,077人 2.0倍(2.2倍)
教育・教員養成
646人 286人 2.3倍(2.3倍)
理・工学
2,246人 1,015人 2.2倍(2.2倍)
農・水産・獣医
569人 294人 1.9倍(2.4倍)
保健・医療
6,291人 2,247人 2.8倍(2.8倍)
生活科学(栄養)
676人 206人 3.3倍(3.4倍)
芸術・スポーツ
870人 310人 2.8倍(3.2倍)
(計)
19,479人 8,162人 2.4倍(2.5倍)

公立大における推薦実施学部数は、保健・医療系と社会科学系の2分野が群を抜いて多いのが特徴だが、志願者数も保健・医療系が6,291人、社会科学系6,201人とこの2分野が群を抜いて多い。また、人文・社会科学系を合わせた文系2分野の志願者数は国立大を上回っている。

合格者数をみると、社会科学系、保健・医療系の2分野が突出しており、最も少ないのは国立大と同じく生活科学系の206人となっている。

競争率をみると、生活科学系の3.3倍(前年3.4倍)が最も高く、次いで芸術・スポーツ系、保健・医療系の2.8倍、人文科学系の2.7倍の順となっている。

公立大では地元型が多いこともあって、平均倍率は2.4倍と国立大より若干低いが、全国枠では倍率が高くなる傾向にあることに留意したい。

ニュースフラッシュ

◆2021司法試験合格者、2年連続で目標1,500人を下回る

法務省は、今月7日、今年の司法試験を3,424人が受験し、1,421人が合格したことを公表した。受験資格を原則として法科大学院修了生に限った2006年度以降で最少を記録した前年よりさらに受験者は279人、合格者は29人が減少している。合格者の政府目標は「毎年1,500人以上」だが、2年連続で目標を下回った。ただ、合格率自体は前年より2.34ポイント増の41.5%と4割台へ乗った。

なお、合格者のうち374人は、経済的事情などで法科大学院に進学できない者が例外的に受験資格を得られる「予備試験」の通過者で、その合格率は93.5%と初めて9割を超え、過去最高を更新し、院修了生を大幅に上回る状況が続いている。期間も経済的負担も最小化できる「予備試験」ルートに、優秀な志願者が集中していることは明白で、法科大学院の根底を揺るがす要因だろう。

合格者の男女別状況をみると、男子1,026人(72.2%)、女子は395人(27.8%)で、女子合格者が3割に満たない。合格者の平均年齢は28.3歳で、最年長は69歳、最年少はなんと18歳。18歳での合格は2006年以降で最も若かった。

なお、法科大学院修了生の大学別上位の合格率順位は次のとおりとなっている(●印は現在募集停止を示している)。

順位 大学院 受験者数 合格者数 合格率
1
愛知大 3人 2人 66.67%
2
京都大 185人 114人 61,62%
3
一橋大 110人 64人 58.18%
4
慶應義塾大 227人 125人 55.07%
5
東北大 39人 20人 51.28%
6
●山梨学院大 4人 2人 50.00%
7
●東洋大 2人 1人 50.00%
8
早稲田大 231人 115人 49.78%
9
岡山大 33人 16人 48.48%
10
東京大 199人 96人 48.24%

国立大の合格率では、京都大が東京大・一橋大を上回ったことが注目される。

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