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AO・推薦入試エクストラ9月25日号

私立大:2014AO入試全国統計レポート(2)

AO入試情報

◆私立大:2014AO入試全国統計レポート(2)

弊社が毎年実施している諸統計の中から、今号では2014AO入試の出願資格に関する統計データをご紹介する。

<専願区分>

まず、専願区分だが、専願制で実施するのは388校で全体の79.5%とほぼ8割を占める。併願制は86校、専願・併願の2区分制は2校、特に定めないのは12校となっている。全般的には専願制が主流なので、AO入試の場合も志望校の選択には慎重を期す必要がある。

<成績基準>
成績基準をみると、次のようになっている。
設定なし 複数条件の1つ  必須条件
426校(83.5%) 9校(1.8%) 75校(14.7%)

推薦入試と比べ、出願に成績基準を設けないケースがだんぜん主流を占め、推薦入試の基準を満たせない受験生の多くがAO入試へ流れる大きな要因になっている。この傾向は、特に関東地区で目立ち、全国の中でこの地区の志願者が最も多い。

<資格・活動実績>
取得資格・活動実績に関する条件の設定は、次のとおりとなっている。
設定なし 複数条件の1つ  必須条件
382校(63.6%) 103校(17.1%) 116校(19.3%)

成績基準と比べると、複数条件の1つ、必須条件を含めて4割近くが設定しており、AO入試の大きな特徴の1つとなっている。充実した高校生活を送っている受験生ならば、学習成績の水準をさほど気にせず、活用できるのがAO入試にほかならない。

ただし、上位私立大群では、学習成績、資格・活動実績の水準とも、優れている受験生であることが不可欠だろう。AO枠の小さい上位私立大では、出願要件を慎重に検討する必要がある。

◆私立大:地区別2014出願条件の設定状況

2014AO入試の出願条件に関する地区別統計をご紹介する。各地区の特徴を十分把握しておいてほしい。

<専願区分>
区分\地区 北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
専願制 37校 125校 66校 85校 35校 39校
併願制 5校 44校 12校 17校 2校 6校
専・併 0校 1校 0校 1校 0校 0校
定めず 1校 6校 2校 3校 0校 0校

推薦入試では併願制が主流の中部・近畿・中四国地区においても、AO入試は専願制主流なので要注意。一方、関東地区は推薦入試は専願制が主流だが、AO入試では併願制もかなり多い。

<成績基準>
区分\地区 北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
設定なし 38校 159校 71校 86校 36校 36校
複数条件の1つ 0校 6校 0校 1校 1校 1校
必須条件 5校 23校 11校 25校 5校 6校

成績基準を設けるケースは、近畿地区が最も多く、次いで関東地区が目立つが、全般的に基準は緩やかである。

<資格・活動実績>
区分\地区 北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
設定なし 28校 142校 65校 87校 34校 26校
複数条件の1つ 10校 43校 11校 22校 4校 13校
必須条件 7校 46校 10校 35校 4校 14校

必須条件としての設定率が最も高いのは九州地区で26.4%、次いで近畿地区の24.3%、関東地区の19.9%が高い。

推薦入試情報

◆私立大:2014公募推薦入試全国統計レポート(1)

弊社では、毎年、公募推薦入試に関する諸統計をまとめている。今号では、地区別実施学部数の詳細をご紹介する(全国集計は弊社「推薦入学年鑑」の解説ページにグラフを掲載。複合学部は複数扱いで集計)。

<地区別公募推薦実施学部数>*ユニーク推薦含む
北海道
東北
関東 中部 近畿 中四国 九州
人文科学 19 100 37 80 21 24
社会科学 48 191 95 130 37 47
教育(教員養成) 11 56 25 34 21 11
理・工学 10 56 19 31 13 16
農・水産・獣医 2 18 2 2 2 1
保健・医療 22 80 37 63 23 22
生活科学(栄養) 11 30 16 25 14 11
芸術 6 25 11 23 6 5
体育(健康) 5 19 14 17 6 4
(計) 134 575 256 405 143 141

全学部系統にわたって実施学部の層が厚いのはやはり関東地区、次いで近畿・中部の2地区だろう。全地区とも人文・社会科学、保健・医療系は豊富にそろっているが、その他の分野については地区によってかなり格差があるので注意する必要がある。

特に実施学部数が地区で10校未満の系統の志願動向には十分注意する必要があり、農・水産・獣医系は関東地区への一極集中が目立っている。全般的には、就職実績や資格志向の目立つ分野、例えば教育系、保健・医療系、管理栄養系などの志願動向に細心の注意を払いたい。

◆私立大:2014地区別一般推薦の成績基準の設定状況

私立大における一般推薦の成績基準の設定状況は、地区によって大きな差異があるので、十分留意してほしい(全国集計は弊社の「推薦入学年鑑」の解説ページにグラフを掲載)。

北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州 (計)
なし 13 43 45 101 20 22 244
2.7 1 3 1 1 1 0 7
2.8 0 0 0 0 0 0 0
2.9 0 0 0 0 0 0 0
3.0 13 45 25 10 14 14 121
3.1 0 5 1 0 1 2 9
3.2 11 37 8 5 1 6 68
3.3 5 27 8 2 2 5 49
3.4 2 5 3 0 3 0 13
3.5 19 53 13 4 5 15 109
3.6 1 10 3 0 0 3 17
3.7 4 5 2 0 0 3 14
3.8 10 9 3 2 1 2 27
3.9 0 0 0 0 0 0 0
4.0 0 8 1 3 1 1 14
4.1 0 2 0 0 2 0 4
4.2 0 2 0 0 0 0 2
4.3 1 0 0 2 1 1 5
(計) 80 254 113 130 50 74 701

上記の表から分かるとおり、成績基準の設定が最もきびしいのは関東地区、次いで北海道・東北地区の東日本。反対に基準設定が緩やかな地区としては近畿があげられ、基準を設けないケースが77.7%を占める。次いで、中部地区、中国・四国地区の基準が緩やかで、こと成績基準については「東高西低」の構図が明白に見て取れる。また、学力把握措置の強化に伴って、この2~3年は基準撤廃のケースがやや減少し、3.0~3.4のゾーンの設定が増える傾向にある。

ニュースフラッシュ

◆26年度国公立大入学者選抜の概要を公表

文部科学省はこのほど7月末時点でまとめた、26年度国公立大入学者選抜の概要を公表した。実施大学・学部数は国立大が82校383学部で2学部増加、公立大は81校174学部で1校1学部増加している。募集人員は国立大が40人減の96,270人、公立大は226人増の28,407人となっている。入試区分別の概要は次のとおり。

<一般入試>
■日程別大学・学部数
国公立大とも分離分割方式が主流で大きな変化はないが、公立大で中期日程が12校から13校へ増加した。
■センター試験
国立大は5教科、6教科、3教科の順、公立大は5教科、3教科、4教科の順となっている。6教科型をみると、国立大が62校(75.6%)、公立大が10校(12.3%)で、受験負担の差異は明白だろう。
■個別学力検査等
学力検査を課すケースをみると、国立大は1教科型が63校、2教科型が61校、3教科型が43校で、公立大もほぼ同様の状況で大きな変化はない。学力検査以外では、国立大は面接、公立大は小論文がトップを占める。
■2段階選抜実施予告大学
国立大は42校122学部で1校1学部増加したが、公立大は前年と同じ16校35学部となっている。
<AO入試>

国立大は46校136学部で前年より1校1学部減、公立大は前年と同じ23校35学部。国立大でセンター試験を課すのは25校62学部、免除が39校100学部で、まだ免除型の方が上回っている。公立大でセ試併用型は2校4学部のみで、前年より1校1学部減少している。

<推薦入試>

国立大は76校268学部で、前年より1学部減。公立大は79校164学部で1学部増加する。推薦実施率は国立大が92.7%、公立大が97.5%といずれも高いが、学部数でみると国立大70.0%、公立大94.3%で、国立大での比率がまだ低い。センター試験を課すのは国立大が56校(68.3%)・137学部(35.8%)で、前年より1校4学部増加しているので注意したい。公立大は23校(28.4%)・37学部(21.3%)で、2校4学部増加するが、国立大と比べるとセ試併用率は低い。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(6):私立大の選考パターンの特徴

私立大の推薦入試(公募制)における選考方法については、学部系統や地区によってかなり差異があることを十分踏まえて、生徒の指導に当たることが大切だろう。一般推薦・ユニーク推薦を問わず、選考方法自体は共通だが、大別すると、次の7パターンに分類できる。

  • (1)書類・面接型 一定の成績基準を定めている一般・ユニーク推薦で比較的に目立つパターン。また、地方圏の中堅私立大群でもこのパターンが多い。推薦入試の中では最もシンプルな選考法で、近年やや増加傾向にある。
  • (2)書類・小論文・面接型 全国的にみて推薦入試の最もポピュラーな選考法。評価法を公表する私立大の約9割が小論文を点数化して重視している。
  • (3)書類・学科試験型 面接を実施せず、基礎学力試験の結果を中心に選考するタイプで、成績基準を設定していないケースが多く、近畿地区の主流パターン。
  • (4)書類・小論文型 パターン(3)の変型で、学科試験の代わりに小論文を実施するが、比較的に中部地区で目立っている。
  • (5)書類・学科試験・面接型 保健・医療系や一部の理工系・教育系・管理栄養系がこのパターンを導入しており、大都市圏の有名私立大で目立っている。
  • (6)書類・学科試験・小論文・面接型 医学系で目立ち受験負担が最も重いパターン。
  • (7)書類・実技型 面接や小論文を含むケースもあるが、芸術系・体育系で選考の中心となるのは実技試験で、高校3年間の活動実績も重視される。

弊社の調査で、2014一般推薦で面接を課すのは、全体の79.9%で、最も実施率が低いのは近畿地区の50.0%となっている。同様に学科試験を課すのは、全国平均では33.7%だが、近畿地区では66.9%にのぼる。

各地区における学科試験の実施状況、調査書・面接・小論文の評価方法等の詳細は本メールマガジンで今後順次レポートするので参照してほしい。

推薦入試における主要選考要因は、調査書(提出書類の充実度も重要)、面接、小論文、基礎学力試験の4つ。東日本では面接・小論文が主流を占め、西日本では学力検査が重く用いられる傾向が強いが、大学によって選考法は多様である。生徒の個性、能力、資質等に応じて、適切な志望校選択を助言してほしい。

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