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AO・推薦入試エクストラ4月25日号

AO入試情報:国公私立大2014AO入試の変更情報

AO入試情報

◆国公私立大:2014AO入試の変更情報

本年3月末時点で判明している2014AO入試の変更点を速報するので、生徒指導に役立ててほしい。

<国立大>
  • ■北海道大
    理(地球惑星科学)で日本地学オリンピック大会の過去2年間の予選通過者は、2次の課題論文を免除
  • ■群馬大
    理工(化学・生物化学)はAO廃止
  • ■千葉大
    教育(小学校教員養成)で各専修の募集人員に地域選抜枠の人数は設定しない
  • ■東京海洋大
    海洋科学(海洋環境)はAO廃止/海洋工(海洋電子機械工)の募集人員を一般7人→6人、専門・総合2人→3人に変更/海洋工(流通情報工)は2次の模擬授業を課題学習能力試験に変更
  • ■山梨大
    工(応用化学)の成績基準を「普通科=化学・数学のいずれか4.0以上、専門・総合学科=全体4.2以上」から「化学・数学・全体のいずれか4.0以上」に変更
  • ■信州大
    理(地質科学)のセ試数学(1)が数IA必須に変更
  • ■金沢大
    理工学域はAO廃止
  • ■静岡大
    情報(情報社会)は浪人可→現役のみに変更
  • ■広島大
    工第一類(機械システム工学系)はセ試免除からセ試併用型(3教科5科目)へ変更/生物生産(生物生産)はD型(科学オリンピック型)を廃止。B型は理数・SSH型2人→研究者養成型4人に変更(出願資格・選考方法も変わるので要注意)/理(化学)で化学グランプリの各賞受賞者は2次の筆記試験を免除
  • ■愛媛大
    法文(人文昼夜)のセ試免除型で昼主は20人→10人に定員減、基準なし→全体4.0以上に変更/法文(人文昼夜)のセ試併用型で昼主は10人→20人に定員増、セ試基準点(国語・外国語)360点を設定/教育(総合人間形成→情報教育)は募集人員を5人→3人、対象を全課程→専門・総合、現浪区分を1浪→浪に変更。選考方法は1次=書類・面接(口頭試問含む)、2次=セ試(3教科4科目)に変更/農(生物資源‐農山漁村地域マネジメント)は農・水産・総合・普通科→全課程へ変更/スーパーサイエンス特別コースはセ試免除型の定員を11人→17人に変更し、セ試併用型を廃止
  • ■長崎大
    医(医)はAO廃止/工(機械工学)はAO廃止
  • ■鹿児島大
    理(物理科学)は募集人員を10人→8人に定員減
<公立大>
  • ■大阪府立大
    工(機械系‐海洋システム工学)は2014からセ試(3教科4科目)の受験を義務づけ、2015からセ試併用型へ移行
<私立大>
  • ■成蹊大
    経済学部は選考方法を1次=書類、2次=総合分析力審査(仮称)・討論力審査・自己表現力審査に変更/法学部は出願資格にTOEIC受験を追加し、選考方法を1次=書類、2次=資料読解力・文章表現力審査、討論力審査に変更/文学部は出願資格に取得資格(英検2級、TOEFL‐iBT52点、TOEIC560点、漢検2級<日本文学科のみ>のいずれか)を追加し、選考方法を1次=書類、2次=発表・質疑応答審査に変更
  • ■成城大
    法(法律)は選考方法を1次=書類・文章読解力審査(90分・100点)、2次=面接(資料分析力・表現力審査)に変更
  • ■東京経済大
    21世紀教養プログラムAO入試、スカラシップAO入試を廃止
  • ■東京電機大
    工学部でジュニアマイスター顕彰制度を廃止
  • ■明治大
    農(食糧環境政策)のAOを特別入試へ変更
  • ■早稲田大
    基幹理工学部は学部一括募集から学系別募集に変更
  • ■神戸国際大
    リハビリテーション学部で新規実施

◆国公私立大・短大別AO入試の実施状況

2013年度現在、弊社調査でAO入試の実施状況(実施率、実施校数/学校数)は、下記グラフのとおりとなっている。

 

AO入試の実施状況

 

上記の中で公立大・短大はきわめて実施率が低い。国立大では6割近くが実施するものの、学部数でみると推薦入試より格段に少ない。私立大・短大は実施率がきわめて高く、学部数も豊富で、AO・推薦・一般の3段階型入試が定着している。

なお、2014年度、国公私立大とも実施校数に大きな変動はないとみられるが、私立短大はやや減少する見込みだ。

推薦入試情報

◆国公私立大:2014推薦入試の変更情報

本年3月末時点で判明している2014AO入試の変更点を速報するので、生徒指導に役立ててほしい。

<国立大>
  • ■北見工業大
    小論文を基礎学力確認試験(数学I)に変更
  • ■北海道教育大
    函館校、岩見沢校で課程再編(新学部開設)
  • ■室蘭工業大
    工昼でセ試併用型(数学・理科)を追加導入
  • ■弘前大
    教育(学校教育‐発達心理)、理工(地球環境)のうちセ試併用型は推薦廃止
  • ■秋田大
    教育文化・工学資源の2学部を教育文化・理工・国際資源の3学部に再編
  • ■山形大
    理(物理)は選考方法から小論文を除外
  • ■福島大
    人文社会(人間発達・文化探究)は募集単位を変更。人間発達=小学15人、保育士・幼稚園5人、特別支援学校10人、文化探究=言語文化クラス10人、地域生活クラス10人、数理科学クラス5人
  • ■茨城大
    教育(教育文化‐アート文化)で資料提出媒体からVHSビデオ、カセットテープ、MDを除外/工Aのうちマテリアル工(一般推薦)は4人→2人に定員減、同(専門課程推薦)は推薦人数を制限なし→1人に変更/情報工(一般推薦)は定員を8人→5人に、対象課程を情報以外→全課程に、履修条件を撤廃、推薦条件の対象資格からITパスポートを除外、口頭試問における数学の出題範囲から数学Cを除外。情報工の専門課程推薦は廃止/都市システム工は面接時間を15~25分に変更
  • ■宇都宮大
    教育(学校教育‐技術)は成績基準を全体4.3以上→3.5以上に緩和
  • ■群馬大
    教育(学校教育‐技術)は推薦廃止
  • ■埼玉大
    工(応用化学)は推薦廃止
  • ■東京海洋大
    海洋科学(海洋生物科学)は推薦廃止/海洋工(流通情報工)は推薦廃止
  • ■東京学芸大
    学部再編=教育系→学校教育系(初等、中等、特別支援、養護教育の4類)、教養系→総合教育系(総合教育課程)に移行。これに伴い養護教育、生涯学習、多言語文化、環境教育各専修は推薦廃止。募集定員の変更=初等国語10人・日語教育2人→国語に統合して15人、初等美術10人→12人、初等ものづくり5人→3人、中等美術7人→10人、中等保体7人→10人、中等英語6人→10人、中等書道2人・芸術スポーツ文化‐書道2人→中等教育に統合4人、人間社会科学‐カウンセリング10人→総合教育‐カウンセリング7人、芸術スポーツ文化‐生涯スポーツ10人→7人
    *詳細は選抜要項で確認のこと
  • ■山梨大
    工学部で定員変更。機械工(一般枠15人、専門・総合枠2人)→10人(地域産業リーダー養成枠2人を含む)、コンピュータ理工(専門・総合枠)3人→2人、土木環境工17人→15人、先端材料工8人→4人
  • ■信州大
    教育学部の学校教育‐国語は小論文を追加、図画工作・美術は実技を除外、特別支援学校は小論文を除外/繊維学部のうち機械・ロボット学系、化学・材料系、応用生物科学系は小論文→基礎学力テストに変更(面接の参考資料)/工学部の情報工・環境機能工はセ試併用型(3教科4科目)を追加実施、環境機能工・建築のセ試免除型は対象を職業課程に限定
  • ■富山大
    薬(薬)の履修条件を物理I II・化学I II必須に変更
  • ■金沢大
    人間社会(人文‐言語文化<日本語日本文学>)は推薦廃止/医薬保健(放射線・検査技術)は選考方法を書類・面接・セ試(5教科7科目)に変更
  • ■岐阜大
    工(全学科)でSSH枠を廃止
  • ■名古屋大
    理学部は60人→50人に定員減
  • ■三重大
    生物資源(全学科)で普通科対象の選考方法を書類・面接・セ試(5教科7科目)に変更
  • ■大阪教育大
    教育1部(教養‐情報科学)は推薦廃止
  • ■兵庫教育大
    教育(教科・領域教育)のセ試が3教科3科目→5教科5科目に変更
  • ■奈良女子大
    理(化学)は推薦廃止
  • ■岡山大
    医(医)で地域枠コースを新規実施(セ試は5教科7科目)
  • ■徳島大
    総合科学(人間文化)のセ試型が10人→15人に定員増/工夜(全学科)=募集人員を各学科若干に統一、対象から数理科を除外、成績基準を全学科4.0以上に統一
  • ■愛媛大
    医(看護)の高卒認定枠を廃止、一般枠22人→24人に定員増
  • ■長崎大
    医(保健)の小論文に英語問題を含める
  • ■熊本大
    理(理)は推薦廃止/薬(全学科)がセ試併用型(5教科7科目)を新規実施
  • ■大分大
    教育福祉科学(人間‐生活<環境>)の対象課程を全課程に変更
  • ■鹿児島大
    教育(学校技術)のセ試免除型=現役のみ→1浪可、推薦人数1人→2人以内に変更/同セ試併用型のセ試配点を数理重視型に変更/歯学部で面接を段階評価から点数化(200点)に改め計1,100点
  • ■琉球大
    教育(小・中教科‐音楽)の実技(弾き歌い)に選択実技(得意楽器/声楽含む)を追加/生涯教育‐子ども地域教育の面接で(1)個別、(2)グループの区分を廃止/自然環境科学教育は推薦廃止
<公立大>
  • ■岩手県立大
    社会福祉学部で福祉経営→社会福祉、福祉臨床→人間福祉に改編。推薦定員は社会福祉=県内13人、全国5人、人間福祉=県内11人、全国3人
  • ■山形県立米沢栄養大
    2014年新設(同短大の健康栄養学科は募集停止)。推薦定員12人、現役のみ、成績基準=一定水準以上、書類・面接・小論文で選考
  • ■都留文科大
    文(社会‐山梨県枠・都留市枠)の選考方法から面接を除外。配点比率=書類30%、小論文70%
  • ■静岡県立大
    看護学部で変更(短大部看護学科の統合)。推薦定員=15人→45人、推薦人数=1人→3人、選考方法=書類・小論文・面接→書類・適性検査・面接
  • ■愛知県立大
    外国語学部で全国枠(グローバル人材)を新規実施。推薦定員=43人(英米12人、フランス6人、スペイン6人、ドイツ6人、中国6人、国際関係7人)、1浪まで可、書類・セ試(国語・外国語・地公)で選考
  • ■愛知県立芸術大
    美術(デザイン・工芸‐デザイン)の2次試験から小論文を除外
  • ■滋賀県立大
    人間文化(生活栄養)で面接から口頭試問を除外。配点を総合問題200点、面接100点に変更
  • ■敦賀市立看護大
    2014年新設。推薦定員=15人、推薦条件=現役、県内出身、英語・国語・数学の平均が4.0以上、推薦人数=嶺南地域2人以内、その他1人、選考方法=書類・小論文・面接
  • ■大阪市立大
    理(生物)は5人→6人に定員増/商(商)は推薦人数を4人→6人に変更/工学部は全学科で履修条件を設定。機械工=物理I II・化学I、電子・物理工=物理I IIのほか化学I・理科総合Aのいずれか、電機情報工=物理I II、化学バイオ工=化学Iのほか物理I・生物Iのいずれか、建築=物理I・化学I・理科総合Aのうち2科目、都市=理科総合A・理科総合B・物理I・化学I・生物I・地学Iのうち2科目
<私立大>
  • ■酪農学園大
    獣医保健看護学類は選考方法を小論文120点、面接80点、計200点に変更/農食環境学群の産業振興特別推薦は対象をより幅広く改正
  • ■駒澤大
    A方式の文(心理)は成績基準を全体4.0以上で国語・英語・数学が各4.0以上に一本化/B方式の経済(経済・商)は成績基準を3.2→3.8以上に引き上げ
  • ■東京電機大
    工2部は自己推薦から公募制推薦へ変更
  • ■東京理科大
    理1部のSSE推薦は3浪→現役となり、本学B方式の入試科目を全て履修し、良好な成績を収めた者に限るを追加
  • ■早稲田大
    教育学部数学科の履修条件に数学I II IIIABC、英語I IIRWを新規設定
  • ■フェリス女学院大
    音楽(演奏)は18人→12人に定員減
  • ■聖隷クリストファー大
    看護学部は地域指定を廃止。募集定員30人、基準4.0以上、小論文I II(各200点)・面接(150点)に一元化
  • ■同志社大
    生命医科学(医工)は推薦廃止

◆国公私立大・短大の公募制推薦入試の実施状況

2013年度現在、弊社調査で公募制推薦入試の実施状況(実施校数、実施率)は、下記グラフのとおりとなっている。

 

公募制推薦入試の実施状況

 

上記のとおり、公募制推薦入試はいずれも実施率が高いだけでなく、実施学部も豊富なのが特徴で、大学入試の中で大きな比重を占めている。

なお、2014年度、国立大で新規導入校はないが、公立大・私立大では新設校を中心にやや増加する見込み。私立短大は募集停止予定校があるため、やや減少する。

ニュースフラッシュ

◆平成26年4月の開設を5校が申請

本年3月末に平成26年4月開設予定の大学5校の設置認可申請があった。内訳は公立大2校、私立大3校で、設置学部・学科、入学定員、設置場所、設置者等は以下のとおりとなっている。

<国立大>
  • ■山形県立米沢栄養大学
    健康栄養学部=健康栄養学科40(山形県米沢市、公立大学法人山形県立米沢女子短期大学 *同短大の健康栄養学科は募集停止)
  • ■敦賀市立看護大学
    看護学部=看護学科50(福井県敦賀市、敦賀市 *敦賀市立看護専門学校を母体に新設予定)

(注)以上のほか新潟県の長岡造形大が「私立大(公設民営)→公立大学法人」に移行する予定

<私立大>
  • ■日本医療福祉大学
    医療学部=看護学科80(北海道札幌市、学校法人つしま記念学園)
  • ■京都看護大学
    看護学部=看護学科95(京都府京都市、学校法人京都育英館)
  • ■大和大学
    教育学部=教育学科初等幼児教育専攻100、国語教育専攻・数学教育専攻・英語教育専攻115、保健医療学部=看護学科80、総合リハビリテーション学科理学療法学専攻40・作業療法学専攻40・言語聴覚学専攻40(大阪府吹田市、学校法人大和学園)

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(1):入試制度の沿革・概要・現状

昭和30年代、推薦入学制はすでに私立大の一部で導入されていたが、文科省は1966年(昭和41年)に推薦入学制と能研テストを柱とする国立大学入試実施要項を発表した。つまり、戦後の大学入試で正規に推薦入試が実施されるようになったのは、1967年度入試からということになる。ちなみに、1970年当時の実施校は、国立大6校、公立大3校、私立大114校に過ぎなかった。その後、次第に増加し、今日では大学入試の主柱の1つとして重要な役割を果たしている。

この間、推薦入試に関する文科省施策の重要な軌道修正をみると、次のようになっている。

  • (1)1995年度:推薦規制策の実施
    公募推薦だけで私立大の志願者が軽く50万人を超えるフィーバーぶりと無秩序なありように対し、文科省は1.推薦定員の制限(大学3割、短大5割以内)、2.実施時期の制限(出願開始11月1日以降)、3.学力検査免除の徹底、という3つの歯止めをかけた。これによって、西日本を中心に?地すべり的な志願減現象”が広がったが、一方ではユニーク推薦拡大の契機ともなった。
  • (2)2000年度:定員規制の緩和
    18歳人口の減少につれて、私立大・短大の定員割れを危惧した文科省は、定員規制を大学5割、短大は撤廃と大幅に緩和。再び推薦入試へのシフトが強まった。
  • (3)2007年度:入試区分名称と学力検査に関する修正
    文科省は入試実施状況の統計等で用いていた「推薦入学」の名称を「推薦入試」へ変更。「学力検査の免除を徹底」という項目を「原則として免除」という緩やかな表現に改めた。
  • (4)2008年度:国大協が推薦定員枠を拡大
    それまで推薦定員枠を3割以内としていた国大協は、後期日程の廃止を容認すると同時に、推薦単独または推薦+AOの上限定員を5割へ引き上げた。
  • (5)2011年度:学力把握措置を明確化
    大学入学者選抜実施要項の大幅な改訂によって、推薦入試でも初めて具体的な学力把握措置が義務づけられることになった。各大学は高校の教科の評定平均値を出願要件や合否判定に用いることとし、その旨を募集要項に明記することを義務づけたほか、推薦書・調査書だけで志願者の能力・適性等の判定が困難な場合は、個別検査(筆記、実技、面接等)、セ試成績、資格・検定等の成績、のうち少なくとも1つを講ずることが望ましいとした。

制度の発足から半世紀近い歴史を持つ推薦入試は、高校側の見識に基づき、生徒の高校教育と大学教育とのスムーズな接続を図る上で重要な役割を担い続けてきた。今日の公募推薦は、ユニーク推薦(上位私大群も活発に導入)の拡大と共に複線化・多様化の一途を辿っている。

そして、公募制推薦入試の実施状況(2013年度/弊社調査)と推薦入学者比率(2012年度/文部科学省統計)は次のようになっている。

  • <実施状況>
    国立大82校中76校(92.7%)、公立大81校中79校(97.5%)、私立大576校中544校(94.4%)、公立短大17校中17校(100%)、私立短大324校中319校(98.5%)
  • <推薦入学者比率>
    国立大12.4%、公立大24.0%、私立大40.3%、公立短大42.7%、私立短大62.1%

国公私立大・短大を問わず、推薦入試が大きな比重を占めており、高校進路指導でも推薦入試対策の充実化が不可欠である。推薦入試は「高校3年間の充実した生活」が決め手。できる限り、高校1・2年次の早期からガイド・助言を徹底するのが望ましい。また、国公私ごと、推薦入試の実施形態は異なるが、それに関しては弊社の全国版「推薦入学年鑑」を参照してほしい。

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