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総合型・推薦型選抜エクストラ9月10日号

私立大:2021年総合型選抜 全国統計レポート(1)

総合型選抜情報

◆私立大:2021年総合型選抜 全国統計レポート(1)

弊社が毎年実施している総合型選抜に関する諸統計の結果について、数回に分けてレポートする。第1回は、私立大の学部別実施状況を中心にご紹介する(6月30日現在)。

まず、総合型選抜実施校は485校。この実施校数はコロナ禍の影響で、本年鑑調査への回答が間に合わなかった大学がかなりあるためで、最終の実施校数は前年の496校を大幅に上回るだろう。地区別の実施校数は次のとおりで、やはり関東・中部・近畿地区での実施が目立つ。

北海道・東北 関東 中部 近畿 中国/四国 九州
44校 184校 77校 99校 39校 42校

学部系統別の実施状況(複合学部は複数扱い)をみると、計1,655学部で、最終的な学部数も学校推薦型選抜と変わらない数字になると予測している。昨今、学校数はやや頭打ちの傾向だったが、2021年度は学校数・学部数とも最終的には大幅に増加する見通しである。内訳は次のとおり。

学部系統 2021年度学部数 2021年度学部比率
人文科学 281 17.0%
社会科学 516 31.2%
教育(教員養成) 186 11.2%
理工 145 8.8%
農・水産・獣医 26 1.6%
保健・医療 235 14.2%
生活(栄養) 105 6.3%
芸術 78 4.7%
スポーツ(健康) 83 5.0%

本年度も実施学部数では、保健・医療系の増加数が最も大きく、次いで理工系の増加が目立ったが、人文系、農・水産系の増加ぶりも注目される。近年、教育・医療など資格型学部の新増設が際立っており、これらの系統では今後も総合型実施校が増えると予測される。社会科学系は、ほぼ前年並みだが、最終統計が出揃う時期には増えると予測される。

 

全体の実施学部数も、学校推薦型選抜とほぼ変わらい数字になってきている。その最大の要因は、自己推薦入試の移行、公募制推薦を総合型に移行していることがあげられる。

◆私立大:2021総合型選抜の地区別学部実施状況(6月30日現在)

ここでは、私立大の2021総合型選抜に関する地区別の実施学部状況をご紹介する。私立大では地区ごとの実施状況にかなり差異があるので、進路指導に際しては十分留意してほしい。なお、弊社統計では複合領域の学部は複数で集計している。

系統 北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
沖縄
人文科学 18 112 36 68 26 21
社会科学 36 228 70 110 36 36
教育(教員養成) 12 67 28 44 21 14
理工 8 67 12 31 12 15
農・水産・獣医 1 18 2 2 2 1
保健・医療 20 81 45 52 24 13
生活(栄養) 8 33 17 21 16 10
芸術 8 31 8 19 7 5
スポーツ(健康) 4 29 21 15 7 7
(計) 115 666 239 362 151 122

全般的には関東地区の学部数が群を抜いている。どの地区も社会科学系が最も多いが、特に関東地区、北海道・東北地区では3割を超える。最も学部数の少ない農・水産・獣医系は、全26学部のうち18学部が関東地区に集中している。人気の高い教育系、保健・医療系は各地区とも相当数が実施している。

学校推薦型選抜情報

◆2021年度公募制学校推薦型選抜の実施状況が判明

現在、弊社では10月初旬発行予定(例年は9月初旬)の全国版「学校推薦型選抜年鑑」の制作に全力を注いでいるが、このほど全ての大学・短大の推薦実施状況が判明したので、速報でご紹介する。

募集校 公募実施校 指定校のみ 公募実施率 実施せず
国立大 82校 76校 0校 92.7% 6校
公立大 91校 90校 0校 98.9% 1校
私立大 584校 516校 67校 88.4% 1校
公立短大 13校 12校 1校 92.3% 0校
私立短大 283校 264校 19校 93.3% 0校

7月上旬現在、募集停止は私立大1校、私立短大7校が判明しており、2021年度の学生募集校は上記のとおりとなっている。

国立大では、新規導入校はなく、前年と同じ76校。今年度、実施しないのは北海道大、弘前大、東北大、東京芸術大、京都工芸繊維大、奈良教育大の6校となる。

公立大は、九州歯科大が新たに加わる。推薦入試を実施しないのは、京都市立芸術大だけである。

私立大の学生募集校は、1校増加して584校。公募実施校は前年より大幅に減少して516校。公募の新規導入校は白百合女子大、完全指定校制は前年より43校増え67校だが、関東地区だけで38校(うち東京都が27校)を占める。公募・指定校制とも実施しないのは、日本医科大だけとなった。

公立短大は大月短大が完全指定校制へ移行し、残りの12校が実施。私立短大は募集停止が7校で、学生募集校数は283校と前年より7校減。その93.3%に当たる264校で公募制を実施する。完全指定校制は北星学園大短大部、北海道武蔵女子短大、宮城誠真短大、宇都宮文星短大、城西短大、山村学園短大、千葉敬愛短大、共立女子短大、国際短大、鶴川女子短大東京立正短大、名古屋女子大短大部、華頂短大、京都西山短大、大阪芸術大短大部、武庫川女子大短大部安田女子短大、今治明徳短期大で、前年の4校から19校へ増加する。公募・指定校制とも実施しない短大は今年度は皆無となっている。

◆私立大:2021地区別公募制学校推薦型選抜実施校と完全指定校制一覧

弊社の全国版「学校推薦型選抜年鑑」で実施した2021年度の実施状況等の調査から、地区別の実施状況および完全指定校制の私立大・短大をレポートしておこう。


<地区別実施校数>

実施校数
国立大 公立大 私立大 公立短大 私立短大
北海道・東北 11校 17校 56校 4校 33校
関東 18校 10校 175校 1校 71校
中部 15校 23校 88校 2校 50校
近畿 11校 13校 106校 1校 49校
中国・四国 10校 15校 40校 2校 25校
九州・沖縄 11校 12校 52校 2校 36校
76校 90校 516校 12校 264校

私立大の場合、やはり関東地区が群を抜き、次いで近畿・中部地区の大都市圏に集中するが、その他の地区も多くが公募推薦を実施している。

私立短大の場合、大都市圏で短大数が減少しているのが特徴(4大に吸収など)で、各地区の実施状況は4大ほど差がない点が注目される。

次に完全指定校制で実施するのは以下のとおりである。

<北海道・東北地区>

北星学園大、東北芸術工科大

<関東地区>

自治医科大、文星芸術大、城西大、愛国学園大、開智国際大、秀明大、流通経済大、嘉悦大、共立女子大、慶応義塾大、国学院大、国際基督教大、駒澤大、成蹊大、成城大、聖心女子大、清泉女子大、聖路加看護大、デジタルハリウッド大、東京経済大、東京工科大、東京慈恵会医科大、東京女子大、東京神学大、東京造形大、二松学舎大、日本女子大、法政大、武蔵大、武蔵野音楽大、明治大、明治学院大、明星大、立教大、関東学院大、洗足学園音楽大、フェリス女学院大、横浜美術大

<中部地区>

長岡大、桜花学園大、名古屋女子大、名古屋造形大、南山大

<近畿地区>

成安造形大、京都造形芸術大、嵯峨美術大、種智院大、立命館大、大阪河崎リハビリテーション大、四条畷畷学園大、千里金蘭大、森ノ宮医療大、芦屋大、関西国際大、関西学院大、神戸芸術工科大、神戸親和女子大、姫路大、武庫川女子大、高野山大

<中国・四国地区>

川崎医科大、ノートルダム清心女子大、安田女子大

<九州地区>

西南学院大、立命館アジア太平洋大

完全指定校制は67校で前年より43校増えている。地区別では北海道・東北2校、関東地区27校、中部地区5校、近畿地区17校、中四国地区3校、九州地区2校であった。

ニュースフラッシュ

◆国家公務員総合職採用試験の状況を人事院が公表

人事院は8月下旬、2020年度(21年4月採用)の中央府省庁の幹部候補となる国家公務員総合職試験の状況を公表した。全体の申込者数は過去最も少ない1万6,730人、合格者数は1,717人、倍率は9.7倍であった。女性の合格者は511人で、割合は過去最高だった前年度を1.7ポイント下回る29.8%だった。

大学別(大学院含む)の合格者数のトップは東京大の249人だったが、前年度より58人減り、記録が残る1998年度以降で最少となった。東大卒の占有率は14.5%に過ぎず、合格者の出身校は多様化しているようだ。

合格者が10名以上の大学は次のとおりとなっている。

大学 引卒者 大卒程度 合計
東京大 112人 137人 249人
京都大 47人 84人 131人
早稲田大 20人 70人 90人
北海道大 24人 45人 69人
東北大 19人 46人 65人
中央大 15人 45人 60人
立命館大 13人 46人 59人
岡山大 1人 55人 56人
東京工業大 19人 32人 51人
名古屋大 14人 37人 51人

全体的に新型コロナウイルス感染症の拡大で、採用試験の日程がずれ込んだことも志願状況に影響を及ぼしたようだ。

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