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AO・推薦入試エクストラ8月25日号

私立大:2014AO入試結果の集計レポート

AO入試情報

私立大:2014AO入試結果の集計レポート

弊社では全国版「AO入試年鑑」の発刊に際して、私立大のAO入試の動向を把握するため、毎年、多角的な統計作業を実施している。今回は、まず2014入試結果の集計状況からレポートしておきたい(データ公表校のみ集計)。

学部系統別の志願者数・合格者数状況は次のとおりであった。
系統 志願者数 合格者数 平均倍率(前年度)
(1)人文科学 10,818人 6,613人 1.6倍(1.7倍)
(2)社会科学  26,671人 17,473人 1.5倍(1.6倍)
(3)教育・教員養成 8,075人 3,515人 2.3倍(2.4倍)
(4)理工学 7,553人 4,480人 1.7倍(1.6倍)
(5)農・水産・獣医 977人 410人 2.4倍(2.6倍)
(6)保健・医療 13,502人 3,982人 3.4倍(3.6倍)
(7)生活科学(栄養) 2,742人 1,514人 1.8倍(1.9倍)
(8)芸術 8,507人 5,974人 1.4倍(1.5倍)
(9)スポーツ・体育(健康) 6,463人 2,799人 2.3倍(2.3倍)
(計) 85,308人 46,760人 1.8倍(1.9倍)

全体の志願者数は、前年度より約4千4百人、4.9%の減少となり、前年の5.2%増とは対照的な動向となった。合格者数は、前年より約1千人、2.6%の減少となり、平均倍率は前年の1.9倍から1.8倍へ若干下がっている。

学部統計別にみると、志願増となったのは、保健・医療系と農・水産・獣医系の2分野のみ。特に保健・医療系は人気が高く、倍率も3.4倍と全系統の中で抜きん出ている。農・水産・獣医系は合格者を絞り込む傾向があり、そのため倍率も高めで推移している。前年並みの志願動向だったのは教育・教員養成系で、高い人気が続いている。その他の分野はいずれもやや志願減だが、大きな減少ではない。

正確なAO入試の統計は、例年、秋ごろ公表される文部科学省の発表を待たねばならないが、本年鑑の統計と大きな差異はなく、私立大AO入試の人気が高いことに十分留意すべきだろう。

◆私立大:2014AO入試の地区別志願動向

私立大のAO入試戦線は、地区によって差異が大きいので十分注意する必要がある。弊社が集計した地区別の2014AO入試結果は次のとおりとなっている(カッコ内は前年度比の増減を示す)。

地区 志願者数 合格者数 平均倍率
北海道・東北 4,264人(-45人) 3,249人(-205人) 1.3倍(1.2倍)
関東 54,429人(-2,426人) 26,904人(-118人) 2.0倍(2.1倍)
中部 6,885人(-906人) 4,411人(-479人) 1.6倍(1.6倍)
近畿 14,499人(+395人) 8,595人(+118人) 1.7倍(1.7倍)
中国・四国 2,603人(+25人) 1,970人(+93人) 1.3倍(1.4倍)
九州 2,603人(-1,030人) 1,631人(-635人) 1.6倍(1.6倍)

全般的にみて地方圏の私立大では、入試区分ごとのデータ公表状況が芳しくないという事情はあるが、全体の動向は弊社の統計でも明白に表れてくる。2014年度の場合、志願増となったのは近畿、中国・四国の2地区だけで、ともに2年連続の志願増であった。逆に志願減が目立ったのは関東、中部、九州の3地区。ただ、例年と同様に志願者数では関東地区が群を抜いている。

合格者が増加したのも、上記の2地区だけであるが、志願減でも九州地区以外は減少幅は小さい。特に関東地区は2,426人の志願減に対して、合格者数はわずか118人減にとどまっている。

また、関東と近畿を比較すると、推薦入試が「東低西高」型であるのに対して、AO入試では完全に「東高西低」型の入試構図になっていることも見て取れよう。これは、関東地区が推薦入試では成績基準を設けるのに対して、AO入試ではほぼ基準設定がないことによっている。

推薦入試情報

◆国立大:2015推薦入試の新規実施速報

弊社では9月初旬に全国の高校へ2015全国版「推薦入学年鑑」をお届けする予定だが、本年度も国公立大で注目すべき新規実施のケースがかなりあり、年鑑より一足早く新規実施情報を速報でご紹介する。

■東京海洋大
海洋工学部=<商船教員養成コース>海洋電子機械工学科2人、全課程対象で4.5以上の現役、書類・小論文・面接で選考。出願期間=11月3日~6日、試験日=11月27日、合格発表=12月12日
■東京学芸大
教育支援課程(2015新設)=ソーシャルワーク2人、表現教育5人、各4.0以上の5浪まで可、書類・小論文・面接で選考。出願期間=11月4日~7日、試験日=11月29日、合格発表=12月11日
■富山大
理学部=化学科5人、現役で化学の履修者、書類・小論文・面接・CT(5-7)で選考。出願期間=11月4日~10日、試験日=11月26日、合格発表=2月9日
■岐阜大
教育学部=学校教育‐現代社会専攻4人(法律・経済・哲学専攻の改編)、3.5以上の現役、書類・面接・CT(5~6-7~8)で選考。出願期間=12月15日~17日、試験日=1月24日、合格発表=2月10日
■静岡大
人文社会科学部(夜)=法学科20人、経済学科15人、3.5以上の1浪まで可、書類・面接・CT(法3-3、経済4~5-6)で選考。出願期間=1月26日~30日、試験日=2月7日、合格発表=2月10日
工学部=化学バイオ工学科10人、現役のみ、書類・面接・CT(数学・理科<化学>・英語)で選考。入試日程は上記の人文社会科学部に同じ
■名古屋大
経済学部40人、現役のみ、1校からの推薦人数は2名以内、1次=書類・CT(5~6-8)、2次=面接で選考(セ試免除→セ試併用へ移行)。出願期間=1月20日~23日、2次=2月9日、合格発表=2月11日
■鳥取大
<推薦入試Ⅰ>生物資源環境学部でC区分5人を新設。次の全条件。(1)様々なフィールドでグローバルに活躍することを目指す者、(2)英検2級、TOEIC500点、TOEFL-iBT61点(PBT500点)以上等いずれかの有資格者。書類・面接で選考。出願期間=11月4日~6日、試験日=11月16日、合格発表=11月21日
■岡山大
<推薦入試Ⅱ>環境理工学部=環境数理学科5人、環境デザイン工学科5人、環境管理工学科10人、環境物質工学科8人、環境数理は数学4.0以上、環境デザイン工・環境管理工は4.3以上、環境物質工は数学・理科・英語の平均が4.0以上。1次=書類・小論文・面接(環境物質工は書類・総合問題・面接)、2次=CT(5-7)で選考。出願期間=11月4日~10日、1次試験=12月6日(発表12月19日)、合格発表=2月9日
■愛媛大
<推薦入試Ⅰ>工学部=情報工学科2人、3.8以上の現役、書類・プログラミング試験・面接で選考。出願期間=11月1日~7日、試験日=11月23日、合格発表=12月5日
■高知大
<推薦入試Ⅰ>地域協働学部=地域協働学科10人(2015新設)、4.0以上の現役、1校からの推薦人数は1人、書類・グループ活動および振り返り演習適性試験・作文・面接で選考。出願期間=11月18日~21日、試験日=11月30日、合格発表=12月10日
■佐賀大
文化教育学部=学校‐教科教育で<佐賀県枠>を新設。4.3以上の現役、1次=書類、2次=基礎学力試験(英語・数学)・面接で選考(1次は佐賀県が実施)。出願期間=11月4日~10日、2次試験=11月28日、合格発表=12月8日
<推薦入試Ⅱ>理工学部=知能情報システム学科3人、機能物質化学科10人、機械システム工学科10人、電気電子工学科4人、数学Ⅲの履修者(知能情報システム工は物理、機能物質化学科は化学も履修)で1浪まで可、書類・CT(5-7)で選考。出願期間=1月19日~26日、合格発表=2月11日
■長崎大
<推薦入試Ⅱ>環境科学部で「専門・総合枠4人」を新設。現役のみ、書類・面接・CT(英語必須、その他から2科目)で選考。出願期間=12月15日~19日、試験日=1月30日、合格発表=2月10日
■熊本大
<推薦入試Ⅰ>教育学部の生涯スポーツ福祉で「肢体不自由者枠‐若干」を新設。4.0以上の1浪まで可、書類・小論文・面接で選考。出願期間=11月1日~6日、試験日=11月22日、合格発表=12月5日
■琉球大
<推薦入試Ⅱ>医学科で「離島・北部枠3人」を新設。県内離島地域・北部地域の高校出身で4.3以上の1浪まで可。書類・小論文・面接・CT(5-7)で選考。出願期間=11月4日~10日、試験日=12月3日、合格発表=2月9日

◆公立大:2015推薦入試の新規実施速報

ここでは本年度から公立大へ移行した長岡造形大を含む公立大推薦入試の新規実施情報をご紹介する。

■都留文科大
<CT利用推薦>文学部=社会学科(現代社会)10人、3.3以上で浪人可(全国高校対象)、書類・CT(3~4-4、外国語必須、その他から3科目)で選考。出願期間=1月13日~26日、合格発表=2月5日
■長岡造形大
造形学部=プロダクトデザイン学科6人、視覚デザイン学科18人、美術・工芸学科6人、建築・環境デザイン学科10人、3.5以上の現役、書類・小論文・面接で選考。出願期間=11月1日~7日、試験日=11月30日、合格発表=12月5日
■三重県立看護大
「地域推薦C5人」を新設。県内高校出身で主要5教科の平均が3.5以上の現役、書類・面接・CT(4~5-5、国語・数学・理科・英語必須、その他から1科目)で選考。出願期間=1月26日~29日、試験日=2月7日、合格発表=2月10日
■島根県立大
総合政策学部で自己推薦(総合評価型)75人を新規実施。3.5以上で浪人可(全国高校対象)、書類・総合課題・面接・CT(3-3、国語・英語必須、その他から1科目)で選考。出願期間=8月28日~9月3日、試験日=9月14日(総合課題)、10月18・19日(面接)、合格発表=2月11日
■下関市立大
<地域推薦A>経済学部=公共マネジメント学科8人、4.2以上の現役で下関市・山陽小野田市の高校出身者、書類・面接で選考。出願期間=11月4日~11日、試験日=11月22日、合格発表=12月2日
■高知県立大
文化学部=文化学科夜(2015新設)10人、3.8以上の現役で県内高校出身者、書類・面接で選考。出願期間=11月1日~6日、試験日=11月16日、合格発表=11月26日
■長崎県立大
経済学部=流通・経営学科で「アカウンティングプログラム枠3人」を新設。全国対象で普通科は国語・数学・外国語の平均が4.3以上、商業・総合学科は4.3以上で日簿2級以上の有資格者である現役、書類・小論文・面接で選考。出願期間=11月1日~10日、試験日=11月22日、合格発表=12月5日
■沖縄県立芸術大
音楽学部=音楽学科‐声楽2人、器楽2人(各県内1人、全国1人)、3.5以上の現役、書類・音楽基礎能力検査・専攻試験・面接で選考。出願期間=11月1日~8日、試験日=11月23日、合格発表=11月28日

ニュースフラッシュ

◆平成26年度学校基本調査の速報値を公表

文部科学省は、学校教育行政に必要な学校に関する基本的事項を明らかにすることを目的として、昭和23年度より毎年調査を実施している。このほど平成26年度の調査速報が公表されたので、主な概要をご紹介する。

■学校数、在学者数、教員数

(1)小学校、中学校、高等学校等

<在学者数>
●小学校は特にここ6年減少傾向にあり、前年度より7万7千人減少し、過去最低を更新
●中学校は350万4千人、高等学校は333万4千人で高等学校は前年度より1万5千人増加
●特別支援学校は13万6千人で、前年度より3千人増加し、前年度に続いて過去最高を更新
●専門学校は58万9千人で、前年度より1千人増加し、5年連続の増加
<教員数>

幼稚園から特別支援学校まで全国に約110万人の教員がいるが、うち女性教員数は高等学校で31.0%、特別支援学校で60.6%で過去最高となった。

(2)大学、短期大学、高等専門学校等

<在学者数>
●大学全体、大学院のいずれも長期的に見て増加傾向にあったが、23年度に過去最高になり、以降の3年間は減少傾向
●大学学部の女子学生は111万8千人で、前年度より4千人増加。占有率は43.5%→43.8%となり過去最高を更新
●短期大学生は平成5年度をピークに以降は減少し続け、平成に入ってから過去最低となった(13万7千人)
<教員数>

大学全体の女性教員数が連続して増加しており、計4万1千人(22.5%)と過去最高。大学教員数は約18万1千人、教員1人当たりの平均学生数は約16人となる。

■卒業後の状況
(1)高等学校卒業者
●就職率は4年連続で上昇し、新規高卒者の17.5%が就職
●大学・短大進学率(現役)は、平成22年度をピークに微減傾向にあったが、本年度は53.9%へ上昇
●大学学部進学率(過年度卒含む)は、平成22年度をピーク(47.9%)に以降3年は微減が続いたが、本年度は48.1%で過去最高を記録
●大学・短大入学志願率は平成22年度をピークにここ4年はほぼ横ばいで前年度と同じ60.4%
●専門学校進学率は前年度と変わらず、新規高卒者の17.0%を占める
(2)大学(学部)卒業者
●大学院等への進学率はゆるやかな上昇傾向にあったが、平成22年度をピークに4年連続で低下し12.6%
●就職率は平成22年度に急激に低下したが、その後4年連続で上昇し69.8%となり、2.5ポイント上昇した
●安定的な雇用に就いていない者は、前年度に続き2.1ポイント減少したが、依然として10万5千人にのぼり、全卒業者の18.6%を占める

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(5):国公立大の選考パターンの概要と対策のポイント

国公立大における推薦入試の選考パターンは、私立大では用いられないセンター試験(セ試)が介在するだけに、そのパターンは多岐にわたるが、大別すると(A)セ試免除型と(B)セ試併用型の2つになり、近年では後者が増加傾向にある。従って、セ試で平均点以上の得点が望めない生徒、もしくは当該校の基準ラインのクリアが難しい生徒の場合は、当然ながら(A)パターンを中心に考えなければならない。(A)・(B)それぞれの主要な選考法の概要をチェックしておこう。

(A)セ試免除型

最もポピュラーなのは、書類・面接・小論文型であるが、その他にもいろいろな選考法が用いられている。共通しているのは、面接・小論文とも学力把握措置(資質・適性含む)に重点が置かれていることで、十分な対策が必要になる。

(1)書類・面接型
全般的には少ない選考法だが、特に面接の試問対策が重要になる。学力試問は、英語・数学・理科など教科別に実施するケースが多い。
(2)書類・小論文・面接型
文系・理系を問わず、国公立大のセ試免除型で中心となる選考法。特に小論文対策に力を入れる必要があり、理系では記述式学力試験としての性格が強い。
(3)書類・学力試験・面接型
全般的には少ないものの、独自の学力検査を実施するケースがあり、文系は国語・英語、理系は数学・理科・英語が中心になり、総合問題形式で出題するケースもある。なお、医学系の一部には小論文も課す重量型がある。
(4)書類・面接・実技試験型
教育系の実技系、芸術・体育系で用いられる。これに小論文が加わるケースも多い。
(5)2段階型
1次選抜(書類が中心)の合格者のみ2次を課すタイプ。提出書類の作成に万全を期す必要がある。2次は面接・小論文など。 国公立大の場合、書類、面接、小論文など全てで評価法が確立されているので、受験生の能力・資質を十分検証し、きめ細かな準備をさせることが大切になる。
(B)セ試併用型

このパターンにおけるセ試成績の用い方は、(イ)総合点加点方式、(ロ)資格試験(基準点)方式、の2つに大別されるが、そのほか鳴門教育大の独自方式、入学準備教育の参考とする方式などもある。注意すべきは(ロ)で、特に医・歯・薬学系の基準点は8割程度と高いので注意する必要がある。主な選考法は次のとおり。

(1)書類・セ試型
この選考法ではセ試成績が中心。小樽商大(昼)、東京外語大、東京工業大、名古屋大農、神戸大経済・経営などが導入しており、近年増加傾向にある。
(2)書類・面接・セ試型
書類・面接で一定の合格者数を絞り、最終的にはセ試成績をみて合否判定を行う。
(3)書類・面接・小論文・セ試型
前記(2)に小論文が加わる分、受験負担が重くなる。
(4)2段階型
1次=セ試成績(書類を含むケースも多い)、2次=書類・面接で選考するケース。1次では募集定員の2~3倍を合格させるのが一般的で、この選考法はかなり多いので注意してほしい。なお、1次=書類、2次=小論文・面接等、最終=セ試という3段階型もかなりある。

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