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AO・推薦入試エクストラ4月10日号

国公立大:2019AO入試の新規・変更点情報

AO入試情報

◆国公立大:2019AO入試の新規・変更点情報

本年3月末時点で判明している国公立大の2019AO入試の新規実施や主な変更点などについてご紹介する。今後の進路指導に際して留意してほしい。特に神戸大が7学部でセ試免除AO(「志」特別入試)を導入する点が注目される。

<国立大>

■秋田大
(1)国際資源学部でセ試免除AOを新規実施、(2)理工学部で専門・総合学科対象のセ試免除AOを新規実施
■東北大
(1)文・理学部でセ試併用型AOを新規実施、(2)法学部でセ試免除AOを新規実施
■福島大
新設予定の農学群食農学類でセ試免除AOを新規実施/地域社会貢献枠、実践教育経験枠の2区分で実施
■筑波大
社会工学類でセ試免除AOを廃止
■千葉大
(1)法政経学部でセ試併用AOを新規実施‐経済学特進プログラム希望者対象。英語外部検定利用(経済学特進プログラム選抜は廃止)、(2)工学部(総合工=物質科学)で方式I(セ試併用)と方式II(セ試免除)を新規実施
■横浜国立大
理工学部(機械・材料・海洋系)=材料工学EPでセ試併用AOを新規実施(EP=教育プログラム)
■福井大
工学部でセ試免除AOを廃止。セ試併用AOでは「普通科・理数科等」「工業系学科等」の区分を廃止
■京都工芸繊維大
ダビンチ入試の日程を出願=9月上旬、1次選考=10月上旬、最終選考=10月下旬~11月上旬に繰り上げる
■大阪大
理・工・基礎工学部で国際科学オリンピックAOを廃止
■神戸大
(1)文・国際人間科学・法・医(保健)・工・農・海事科学の7学部でセ試免除AO(「志」特別入試)を新規実施、(2)海事科学部(グローバル輸送科学)で従来のAOを廃止、(3)理学部(生物、惑星)でセ試併用AOを新規実施
■広島大
全学のAO総合評価方式II型のセ試で、英語外部検定成績の利用導入(見なし満点)
■徳島大
医学部医学科でセ試併用の地域枠AOを新規実施
■香川大
農学部でセ試免除AOを新規実施
■愛媛大
(1)理学部でセ試併用AOを廃止、(2)スーパーサイエンス特別コースのセ試免除AOを廃止(コース自体を廃止)
■九州工業大
工・情報工学部でセ試併用AOを新規実施
■佐賀大
理工・農の2学部でセ試免除AOとセ試併用AOを新規実施

<公立大>

■大阪市立大
医学部医学科でセ試併用AO(一般枠)を新規実施

推薦入試情報

◆国公立大:2019推薦入試の新規・変更点情報

本年3月末時点で判明している国公立大の2019推薦入試の新規実施や主な変更点などについてご紹介する。今後の進路指導に際して留意してほしい。特に東京外国語大国際社会学部でセ試免除推薦の新規実施情報が注目される。

<国立大>

■北海道教育大
札幌校でセ試を課す特別選抜「教員養成特別入試」を新規実施
■帯広畜産大
畜産学部(共同獣医学)でセ試免除推薦を廃止
■茨城大
工学部(昼)情報工学科で専門高校推薦(セ試免除)を新規実施(英語外部検定利用)
■群馬大
(1)社会情報学部のセ試免除推薦に「GFL特別枠、データ解析特別枠」を新設(GFL特別枠合格者は1年次から「グローバルフロンティアリーダー育成プログラム」に所属)、(2)理工学部のセ試免除推薦に「GFL特別枠」を新設(英語外部検定利用)、(3)教育学部(音楽)でセ試免除推薦を廃止
■東京外国語大
(1)国際社会学部でセ試免除推薦を新規実施(英語外部検定利用)、(2)言語文化学部で専攻言語の募集単位を6→15に増加
■上越教育大
学校教育学部で選考方法を「集団面接→個人面接」に変更し、出願資格のうち卒業要件を「現役のみ→1浪まで」に緩和
■金沢大
保健学類(看護学・作業療法学)で選考方法を「セ試免除→課す」に変更
■福井大
工学部(電気電子情報工、建築・都市環境工)でセ試免除推薦を新規実施(セ試免除AOを廃止)
■岐阜大
教育学部(学校教育=国語・数学・理科・音楽・家政・英語・心理学・教職基礎・特別支援学校)でセ試併用推薦(「ぎふ清流入試」)を新規実施
■浜松医科大
医学部看護学科の推薦で「セ試免除→課す」に変更
■広島大
セ試を課す推薦で全学部とも英語外部検定の成績を利用(みなし満点)
■山口大
理学部(物理・情報科学、地球圏システム科学)の選考方法を「セ試免除→課す」に変更
■徳島大
歯学部のセ試併用推薦で「集団討論」を追加
■香川大
農学部の選考方法を「セ試免除→課す」に変更
■愛媛大
理学部でセ試併用推薦を新規実施
■熊本大
工学部でセ試免除推薦を廃止
■鹿児島大
(1)理学部(生命化学)でセ試併用推薦を新規実施、(2)医学部(保健=理学療法・作業療法)でセ試免除推薦を新規実施

<公立大>

■秋田公立美術大
美術学科でセ試併用推薦を新規実施
■三重県立看護大
看護学部で指定校制推薦(セ試免除)を新規実施
■大阪市立大
(1)医学部医学科でセ試併用推薦を新規実施(地域医療枠を前期日程から移行)、(2)理学部(化学・地球)の推薦を「セ試免除→課す」に変更

ニュースフラッシュ

国大協が英語外部検定の評価指針案を公表

2021年度入試から始まる大学入学共通テストで導入される英語外部検定について、国立大学協会(国大協)が配点割合を最大で英語全体の1割弱に抑える指針案をこの2月下旬にまとめている。各国立大に意見を聞き、4月ごろに公表するとしている。このガイドラインに強制力はないが、国大協がこの民間試験に慎重な態度を表明したことは、国立大だけでなく、公立・私立大の対応にもかなり影響を及ぼしそうだ。

国大協は、計10種類審査されている民間試験の成績を国際標準規格「CEFR」のレベルに当てはめ得点換算することを想定している。具体的に示すと、次のとおり(TはTOEICを示す)

C2 (ネイティブレベル) +20点
C1 英検1級、T1305~1390 +20点
B2 英検準1級、T1095~1300 +15点
B1 英検2級、T790~1090 +10点
A2 英検準2級、T385~785 +5点
A1 英検3~5級、T200~380 +0点

国大協は、一定の成績(A2以上)に達しなければ出願資格を認めない案や、加点と出願資格を組み合わせた案も示している。ただ、出願資格だけに使用する案は、検定の受験料を負担する保護者の理解は難しい、という考えが一般的だろう。

ただ、この評価案は余りにも低く、社会的評価とのギャップが大きいのではないだろうか。英語全体の1割弱にしかならない試験を、膨大な手間ヒマをかけて実施するのは理解しがたい。そこで、現行のAO・推薦入試で英検1級なら「みなし満点」として扱う国立大が増加しつつあることを考慮に入れてみる必要がある。CEFRのC1に相当する英検1級は、大学生ですら取得が難しいレベルだ。

もともと試験の性格が異なる民間英語検定を、大学入試の場で1つのモノサシとして用いること自体、公平・公正の観点からかなり問題があり、国立大の足並みは3月に入って早くも乱れている。東京大が合否判定に用いない方針を表明したからである。むろん、外部検定の評価は各大学にゆだねられるが、大学による差が余りにも大きいと、受験生の間に困惑が広がるのは必至だろう。


<追記>◆現行の英検が不合格

3月下旬、文科省は大学入学共通テストに用いる英語外部検定試験の審査結果を公表。採用となったのは、ケンブリッジ英検、英検(新型)、GTEC、IELTS、TEAP、TEAP CBT、TOEFL iBT、TOEICの8種。不合格になったのは、リンガスキル、英検(従来型)。文科省公認だった英検が不採用になった影響は大きく、今後、受験料の負担、会場数(地方ほど少ない)など様々な問題が生じるだろう。

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