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総合型・推薦型選抜エクストラ9月10日号

私立大:2025総合型選抜全国統計レポート(1)

総合型選抜情報

◆私立大:2025総合型選抜全国統計レポート(1)

弊社が毎年実施している総合型選抜に関する諸統計の結果について、数回に分けてレポートする。第1回は、私立大の学部別実施状況を中心にご紹介する。

まず、総合型選抜実施校は551校となり、前年度と同様、公募制推薦よりも実施校数がかなり多くなっている。公募制で実施していたユニーク推薦(スポーツ・課外活動推薦など)、また公募制推薦をそのまま総合型選抜に移行したケースなども若干あったためだ。

<私立大地区別実施校数>
北海道・東北 関東 中部 近畿 中国・四国 九州
53校 198校 89校 118校 41校 52校

学部系統別の実施状況(複合学部は複数扱い)をみると、計1,990学部でこれも公募制推薦より多い数字となっているが、保健・医療系に関しては、まだ公募制推薦の方が多い実施状況となっている。

学部系統 2025年度学部数 2025年度学部比率
人文科学 323 16.2%
社会科学 612 30.8%
教育・教員養成 208 10.4%
理工 205 10.3%
農・水産・獣医 27 1.4%
保健・医療 312 15.7%
生活科学(栄養) 124 6.2%
芸術 84 4.2%
スポーツ(健康) 95 4.8%
(計) 1,990 100%

本年度の実施学部数では、理工系、保健・医療系の増加が目立ち、すべての学部系統で増加している。近年、国際・教育・医療・情報・データサイエンス・建築系の新増設が目立っており、これらの系統では今後も総合型実施校が増えると予測される。
  全体の実施学部数も、学校推薦型選抜より多い数字になっている。その要因の1つとして、学校推薦型選抜において指定校制のみへ移行している大学が増加していることがあげられる。

◆私立大:2025総合型選抜の地区別学部実施状況

ここでは、私立大の2025総合型選抜に関する地区別の実施学部状況をご紹介する。私立大では地区ごとの実施状況にかなり差異があるので、進路指導に際しては十分留意してほしい。なお、弊社統計では複合領域の学部は複数で集計している。

系統 北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
人文科学 22 127 46 79 23 26
社会科学 46 242 92 147 37 48
教育・教員養成 14 73 33 49 22 17
理工 10 96 23 44 13 19
農・水産・獣医 1 18 3 2 2 1
保健・医療 26 106 57 77 27 19
生活(栄養) 12 37 21 26 16 12
芸術 8 35 10 20 7 4
スポーツ(健康) 5 30 21 22 9 8
(計) 144 764 306 466 156 154

全般的には関東地区の学部数が群を抜いている。どの地区も社会科学系が最も多いが、特に関東地区では31.7%を占める。最も学部数の少ない農・水産・獣医系は、全27学部のうち18学部が関東地区に集中している。人気の高い教育系、保健・医療系は各地区とも相当数が実施している。

学校推薦型選抜情報

◆私立大:2024学校推薦型選抜の学部別志願動向(弊社集計)

弊社では全国版「学校推薦型選抜年鑑」の発刊以来、私立大の公募推薦入試の動向を把握するため、多角的な統計作業を毎年実施している。今回は、まず2024入試結果のまとめからレポートしておきたい(データ公表校を集計、一部は指定校制データを含む)。学部系統別の志願・合格状況は、次のとおりであった。

学部系統 志願者数 合格者数 倍率(前年度)
人文科学 44,671人 24,111人 1.9倍(1.9倍)
社会科学 126,239人 55,471人 2.3倍(2.3倍)
教育・教員養成 12,313人 7,666人 1.6倍(1.7倍)
理工 45,883人 22,738人 2.0倍(2.2倍)
農・水産・獣医 9,907人 4,472人 2.2倍(2.1倍)
保健・医療 38,218人 19,921人 1.9倍(2.0倍)
生活科学(栄養) 7,301人 4,639人 1.6倍(1.8倍)
芸術 5,575人 3,163人 1.8倍(1.7倍)
スポーツ(健康) 8,286人 5,380人 1.5倍(1.5倍)
(計) 298,393人 147,561人 2.0倍(2.1倍)

学校推薦型選抜戦線は、2013年度以降は一貫して志願増が続いていた。2019年度には実に約34万人もの志願者数となったことが特筆される。ただ、入試改革を迎えた2021年度から志願減となっていたが、今年度は前年度に比べ約1千人増となっている。全体の平均倍率も2.9倍→2.7倍→2.3倍→2.2→2.1倍→2.0倍とピークだった2019年度に比べるとかなり下がっている。学部系統別の平均倍率では、農・水産・獣医系、芸術系だけが上がっている。今年度は志願増にもかかわらず、全体の競争率は下がっている。その理由は、志願者数の増加率よりも、合格者数の増加率方が大きくなっていることが要因となっている。

◆私立大:2024学校推薦型選抜の地区別志願動向(弊社集計)

弊社で独自に集計した2024学校推薦型選抜の地区別志願状況についてご紹介する(データ公表校を集計、一部は指定校制を含む)。

地区 2024年度 2023年度 増減数
北海道・東北 4,985人 5,422人 -438人
関東 30,214人 32,994人 -2,780人
中部 23,535人 23,996人 -461人
近畿 225,855人 218,667人 +7,188人
中国・四国 6,599人 8,632人 -2,033人
九州 7,205人 7,910人 -705人
(計) 298,393人 297,621人 +772人

入試改革初年度の2021年度は、受験者数の減少、公募制推薦から総合型選抜に移行したケースも若干あり、前年度の志願者数よりも約1万3千人減だったが、2022年度は925人増と2年ぶりの志願増に転じたが、2023年度は約6千5百人減となっている。そして、2024年度は772人の若干増ではあるが、増加に転じている。地区別に見てみると、近畿地区のみが7千人の志願増、その他の地区はすべて志願減となっている。特に関東地区、中国・四国区の志願減が目立っており、この2地区は学校推薦型選抜を指定校制のみに切り替えている大学が多く、それが志願減となっている要因の1つとしてあげられる。また、近畿地区は全国の志願者数の約7割を占めており、学校推薦型選抜に関しては「西高東低」の構図は変わっていない。

ニュースフラッシュ

◆令和7年度から私立大学等の収容定員を増加する大学・学部一覧

令和6年6月、文部科学省は国公私立大・学部等の収容定員を増加する認可申請一覧を公表したので、まとめてご紹介しておく。

<国立大>

■福島大
理工学群=共生システム理工学類160→200人
■茨城大
工学部=情報工学科90→100人
■筑波大
理工学群=工学システム学類130→138人、情報学群=情報科学類80→86人、情報メディア創成学類50→54人
■横浜国立大
理工学部=数物・電子情報系学科287→310人
■新潟大
工学部=工学科530→535人、創生学部=創生学修課程65→70人
■大阪大
工学部=応用自然科学科217→222人、電子情報工学科162→190人、基礎工学部=電子物理科学科99→103人、システム科学科169→174人、情報科学科83→101人
■神戸大
医学部=保健学科看護学専攻80→70人、工学部=建築学科93→90人、市民工学科63→60人、電気電子工学科93→90人、機械工学科103→100人、応用化学科106→103人
■広島大
工学部=第二類(電気電子・システム情報系)90→100人、情報科学部=情報科学科150→180人

<私立大>

■敬愛大
情報マネジメント学部=情報マネジメント学科0→50人
■拓殖大
政経学部=社会安全学科0→150人
■人間環境大
総合環境学部=フィールド自然学科0→60人、環境情報学科0→40人
■大阪成蹊大
教育学部=教育学科初等教育専攻150→170人
■武庫川女子大
生活環境学部=生活環境学科165→195人、環境共生学部=環境共生学科0→120人
■就実大
教育学部=初等教育学科75→110人、心理学部=心理学科0→100人

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