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AO・推薦入試エクストラ8月25日号

私立大:2013AO入試結果の集計レポート

AO入試情報

◆私立大:2013AO入試結果の集計レポート

弊社では全国版「AO入試年鑑」の発刊に際して、私立大のAO入試の動向を把握するため、毎年、多角的な統計作業を実施している。

今回は、まず2013入試結果の集計状況からレポートしておきたい(データ公表校のみ集計)。

学部系統別の志願者数・合格者数状況は次のとおりであった。

系統 志願者数 合格者数 平均倍率(前年度)
(1)人文科学 11,388人 6,521人 1.7倍(1.8倍)
(2)社会科学 28,484人 17,974人 1.6倍(1.6倍)
(3)教育・教員養成 8,097人 3,354人 2.4倍(2.5倍)
(4)理工学 8,162人 5,111人 1.6倍(1.6倍)
(5)農・水産・獣医 836人 316人 2.6倍(2.1倍)
(6)保健・医療 13,222人 3,663人 3.6倍(3.1倍)
(7)生活科学(栄養) 3,397人 1,819人 1.9倍(1.7倍)
(8)芸術 9,034人 6,198人 1.5倍(1.5倍)
(9)スポーツ・体育(健康) 7,095人 3,030人 2.3倍(2.0倍)
(計) 89,715人 47,986人 1.9倍(1.9倍)

全体の志願者数は、前年度より約4千5百人、5.2%の増加となり、AO離れどころか、依然として根強い人気を保っている。合格者数は、前年より約2千人、4.6%の増加となり、平均倍率は前年と同じ1.9倍であった。

学部統計別にみると、特に保健・医療系で志願増が目立ち、倍率も3.1倍→3.6倍へ上昇。次いでスポーツ・体育系、教育・教員養成系の志願増が注目される。農・水産・獣医系は志願減だが、合格者数が大幅に減少して、倍率は2.1倍→2.6倍へ上昇している。

正確なAO入試の統計は、例年、秋ごろ公表される文部科学省の発表を待たねばならないが、本年鑑の統計と大きな差異はなく、私立大AO入試の人気が高いことに十分留意すべきだろう。

◆私立大:2013AO入試の地区別志願動向

私立大のAO入試戦線は、地区によって差異が大きいので十分注意する必要がある。弊社が集計した地区別の入試結果は次のとおりとなっている(カッコ内は前年度比の増減を示す)。

地区 志願者数 合格者数 平均倍率
北海道・東北 4,309人(+628人) 3,454人(+709人) 1.2倍(1.8倍)
関東 56,855人(+3,117人) 27,022人(+738人) 2.1倍(2.0倍)
中部 7,791人(-15人) 4,890人(-133人) 1.6倍(1.6倍)
近畿 14,104人(+135人) 8,477人(+380人) 1.7倍(1.8倍)
中国・四国 2,578人(+118人) 1,877人(+187人) 1.4倍(1.5倍)
九州 3,633人(+487人) 2,266人(+239人) 1.6倍(1.6倍)

全般的にみて地方圏の私立大では、入試区分ごとのデータ公表状況が芳しくないという事情はあるが、全体の動向は弊社の統計でも明白に表れてくる。2013年度には中部地区が微減だったのを除くと、全地区で志願者数・合格者数とも上昇しており、特に関東地区の5.8%増、北海道・東北地区の17.1%増、九州地区の15.5%増が際立っている。

合格者の増加が目立つ北海道・東北地区では、平均倍率が前年の1.8倍から1.2倍へと低下し、全国で最低の倍率となった。関東地区の場合は、合格者の絞り込みが進んだためか、平均倍率が2.0→2.1倍と若干上昇した。

また、関東と近畿を比較すると、推薦入試が「東低西高」型であるのに対して、AO入試では完全に「東高西低」型の入試構図になっていることも見て取れよう。

推薦入試情報

◆国立大:2014推薦入試の新規実施速報

弊社では9月初旬に全国の高校へ「推薦入学年鑑」をお届けする予定だが、本年度は国公立大でも注目すべき新規実施のケースがかなりあり、年鑑より一足早く新規実施情報を速報でご紹介する。

■室蘭工業大
<推薦入試II> 工(昼)=建築社会基盤系16人、機会航空創造系22人、情報電子工学系26人、応用理化学系20人、現役のみ、1高校各学科2人以内、書類・CT(数理)で選考、出願期間=1月22日~28日
■秋田大
国際資源学部国際資源学科=資源政策3人、地球資源科学5人、資源開発環境5人(2014学部新設)、現役のみ、書類・面接(口頭試問含む)・CTで選考、CT→資源政策=3-3(国数外)、その他=4-6(国数理外)、出願期間=12月19日~26日、試験日=1月24日
■東京海洋大
海洋科学部=海洋環境学科2人、水産・海洋系学科の出身者、書類・小論文・面接で選考、出願期間=11月1日~8日、試験日=11月28日
■東京学芸大
教育学部=特別支援教育5人、4.0以上の5浪まで、1高校1人、書類・小論文・面接で選考、出願期間=11月1日~6日、試験日=11月30日
■信州大
医学部医学科で「出願要件(2)」を新設。募集人員5人、4.3以上の1浪(要件(1)は現役)、1高校2人以内、選考方法・日程は要件(1)と共通/工学部・環境機能工学科=一般枠7人、SSH枠2人、1浪まで可、書類・CT(数理外)で選考、出願期間=12月13日~20日
■金沢大
<推薦入試II> 医薬保健学域保健学科=放射線技術科学6人、検査技術科学6人、現役のみ、書類・面接・CT(5-7)で選考、出願期間=12月16日~20日、試験日=2月1日
■三重大
教育学部=学校教育‐初等家政3人、3.5以上の現役、1次=CT(5-7、6-7)、2次=書類・面接で選考、出願期間=1月20日~24日、2次試験=2月9日/
<推薦入試II> 生物資源学部=資源循環学科15人、共生環境学科17人、生物圏生命科学科19人、普通・理数科等出身で3.3以上の現役、書類・面接・CT(5-7)で選考、出願期間=11月1日~7日、試験日=11月30日
■岡山大
<地域枠> 医学部医学科=岡山県枠7人、鳥取県枠1人、広島県枠2人、兵庫県枠2人(鳥取・広島・兵庫県枠は全国の高校が対象、詳細は本年鑑参照)、2浪まで、書類・面接(口述試験含む)・CT(5-7)で選考、出願期間=11月1日~8日、試験日=2月7日
■佐賀大
<長崎県枠> 医学部=医学科1人、4.3以上の1浪まで(長崎県内の小・中・高校いずれかの卒業者、詳細は本年鑑参照)、書類・小論文・面接・CT(5-7)で選考、出願期間=11月1日~7日、試験日=11月30日
■長崎大
医学部医学科で熱帯医学研究医枠5人、国際保健医療枠5人を新設。4.3以上の1浪まで、1高校各枠2人まで、書類・面接・CT(5-7)で選考、出願期間=12月16日~20日、試験日=1月24日
■熊本大
薬学部=薬学科10人、創薬・生命薬科学科10人、1浪まで可、1高校各学科1人、書類・面接・CT(5-7)で選考、出願期間=1月20日~23日、試験日=2月8日

◆公立大:2014推薦入試の新規実施速報

ここでは新設予定2校を含む公立大の新規実施情報を速報でご紹介する。

■山形県立米沢栄養大(2014年度新設校)
健康栄養学部=健康栄養学科12人、県内高校出身で3.8以上の現役、1高校1人、書類・小論文・面接で選考(小論文120点、面接80点)、出願期間=11月8日~14日、試験日=12月7日
■敦賀市立看護大(2014年度新設校)
看護学部=看護学科15人、県内高校出身で英語・国語・数学の平均が4.0以上の現役、1高校1~2人、書類・小論文・面接で選考、試験日=12月14日(出願期間は未定)
■静岡県立大
食品栄養科学部=環境生命科学科4人(2014新設)、県内高校出身で4.0以上の現役、1高校1人、書類・適性検査(化学ⅠⅡ)・面接で選考、出願期間=11月1日~8日、試験日=11月29日
■愛知県立大
<全国枠> 外国語学部=英米学科12人、ヨーロッパ学科18人(各専攻3人)中国学科6人、国際関係学科7人、1浪まで、書類・CT(国語・地公・英語)で選考、出願期間=1月20日~24日
■高知工科大
<推薦特待生入試> 各学部若干名、現役のみ、書類・CT(5-7、マネジメント学部は5-6、6-6)で選考、A区分=CT70%以上(マネジメント学部75%以上)、S区分=CT80%以上、出願期間=12月16日~20日
■長崎県立大
<離島看護師特別枠> 看護栄養学部=看護学科2人、県内高校出身で3.8以上の現役(詳細は本年鑑参照)、1高校1人、書類・面接・CT(5-6)で選考、出願期間=11月1日~8日、試験日=11月30日

ニュースフラッシュ

◆平成25年度学校基本調査(速報値)を公表

文部科学省は、学校教育行政に必要な学校に関する基本的事項を明らかにすることを目的として、昭和23年度より毎年調査を実施している。このほど平成25年度の調査速報が公表されたので、主な概要をご紹介する。

■学校数、在学者数、教員数

(1)小学校、中学校、高等学校等

<在学者数>
●小学校は特にここ5年減少傾向にあり、前年度より8万8千人減少し、過去最低を更新
●中学校は353万6千人、高等学校は332万人で前年度より微減
●特別支援学校は13万3千人で、前年度より3千人増加し、過去最高を更新
●専門学校は58万8千人で、前年度より9千人増加し、4年連続の増加
<教員数>
幼稚園から特別支援学校まで全国に約110万人の教員がいるが、うち女性教員数は高等学校(30.7%)と特別支援学校(60.3%)で過去最高となった。

(2)大学、短期大学、高等専門学校等

<在学者数>
●大学全体、大学院のいずれも長期的に見て増加傾向にあったが、23年度に過去最高になり、以降の2年間は減少傾向
●大学学部の女子学生は111万4千人で、前年度より1万2千人増加。占有率は43.0%→43.5%となり過去最高
●短期大学生は平成5年度をピークに以降は減少し続け、平成に入ってから過去最低となった(13万8千人)
<教員数>
大学全体の女性教員数が連続して増加しており、計3万9千人(21.9%)と過去最高。大学教員数は約17万9千人、教員1人当たりの平均学生数は16人となる。
■卒業後の状況
(1)高等学校卒業者
●就職率は3年連続で上昇し、新規高卒者の16.9%が就職
●大学・短大進学率(現役)は、平成22年度をピークにここ3年は微減傾向で全体の53.2%
●大学学部進学率(過年度卒含む)は、平成23年度をピークにここ2年は微減で49.9%
●大学・短大入学志願率は平成22年度をピークにここ3年は微減で60.4%
●専門学校進学率は4年連続上昇し、新規高卒者の17.0%を占める
(2)大学(学部)卒業者
●進学率はゆるやかな上昇傾向にあったが、平成22年度をピークに3年連続で低下し13.0%
●就職率は平成22年度に急激に低下したが、その後3年連続で上昇し67.3%
●安定的な雇用に就いていない者は、前年度より2.2ポイント減少したが、依然として11万6千人にのぼり、全卒業者の20.7%を占める

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆推薦入試(5):国公立大の選考パターンの概要

国公立大における推薦入試の選考パターンは、私立大では用いられないセンター試験(セ試)が介在するだけに、そのパターンは多岐にわたるが、大別すると(A)セ試免除型と(B)セ試併用型の2つになり、近年では後者が増加傾向にある。従って、セ試で平均点以上の得点が望めない生徒、もしくは当該校の基準ラインのクリアが難しい生徒の場合は、当然ながら(A)パターンを中心に考えなければならない。(A)・(B)それぞれの主要な選考法の概要をチェックしておこう。

(A)セ試免除型

最もポピュラーなのは、書類・面接・小論文型であるが、その他にもいろいろな選考法が用いられている。共通しているのは、面接・小論文とも学力把握(資質・適性含む)措置に重点が置かれていることで、十分な対策が必要になる。

(1)書類・面接型
全般的には少ない選考法だが、特に面接の試問対策が重要になる。学力試問は、英語・数学・理科など教科別に実施するケースが多い。
(2)書類・小論文・面接型
文系・理系を問わず、国公立大のセ試免除型で中心となる選考法。特に小論文対策に力を入れる必要があり、理系では記述式学力試験としての性格が強い。
(3)書類・学力試験・面接型
全般的には少ないものの、独自の学力検査を実施するケースがあり、文系は国語・英語、理系は数学・理科・英語が中心になり、総合問題形式で出題するケースもある。なお、医学系の一部には小論文も課す重量型がある。
(4)書類・面接・実技試験型
教育系の実技系、芸術・体育系で用いられる。これに小論文が加わるケースもある。
(5)2段階型
1次選抜(書類が中心)の合格者のみ2次を課すタイプ。提出書類の作成に万全を期す必要がある。2次は面接・小論文など。一部に1次=書類、2次=小論文・面接等、最終=CT成績という3段階型が若干ある。

国公立大の場合、書類、面接、小論文など全てで評価法が確立されているので、受験生の能力・資質を十分検証し、きめ細かな準備をさせることが大切になる。

(B)セ試併用型

このパターンにおけるセ試成績の用い方は、(イ)総合点加点方式、(ロ)資格試験(基準点)方式、の2つに大別されるが、そのほか鳴門教育大の独自方式、入学準備教育の参考とする方式などもある。注意すべきは(ロ)で、特に医・歯・薬学系の基準点は8割程度と高いので注意する必要がある。主な選考法は次のとおり。

  • (1)書類・セ試型この選考法ではセ試成績が中心。小樽商大(昼)、東京外語大、東京工業大、名古屋大農、神戸大経済・経営などが導入しており、近年増加傾向にある。
  • (2)書類・面接・セ試型書類・面接で一定の合格者数を絞り、最終的にはセ試成績をみて合否判定を行う。
  • (3)書類・面接・小論文・セ試型前記(2)に小論文が加わる分、受験負担が重くなる。
  • (4)2段階型1次=セ試成績(書類を含むケースも多い)、2次=書類・面接で選考するケース。1次では募集定員の2~3倍を合格させるのが一般的で、この選考法はかなり多いので注意してほしい。

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