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総合型・推薦型選抜エクストラ1月10日号

私立大:学校推薦型選抜(公募制)トップは近畿大

総合型選抜情報

◆私立大:総合型選抜志願者数トップは帝京大

一般選抜で実施されている志願者数トップ20は先生方もよく見られていると思うが、ここでは私立大総合型選抜の志願者数トップ20を見てもらいたい(2025年度は集計中のため、2024年度のデータを弊社年鑑より集計。一部エントリー数をカウントしている大学もある)。

◆2024年度 私立大:総合型選抜志願者数ランキング
順位 大学名 志願者数
1
帝京大
10,226人
2
京都芸術大
8,179人
3
帝京平成大
5,025人
4
甲南大
4,352人
5
森ノ宮医療大
3,620人
6
日本大
3,210人
7
順天堂大
2,704人
8
慶応義塾大
2,410人
9
帝京科学大
2,403人
10
立教大
2,145人
11
国士舘大
1,875人
12
京都精華大
1,801人
13
大阪芸術大
1,611人
14
早稲田大
1,460人
15
安田女子大
1,318人
16
新潟医療福祉大
1,256人
17
東北芸術工科大
1,183人
18
東洋大
1,101人
19
愛知淑徳大
1,062人
20
沖縄国際大
1,032人

私立大:総合型選抜志願者数ランキングでトップ20までが志願者数千人を超えている大学となっている。その中でも断然のトップは帝京大で、志願者数も唯一の1万人超えとなっている。まず注目してもらいたいのは、大都市圏の大学だけではなく、東北芸術工科大(秋田県)、新潟医療福祉大(新潟県)、安田女子大(広島県)、沖縄国際大(沖縄県)のように地方の大学もランクインしている点だ。一般選抜のランキングでは大都市圏以外の大学がトップ20にランクインしていることはない。地方の大学では、一般選抜よりも総合型・学校推薦型(指定校制含む)で志願者を確保しようとしている大学が多くなっているということも考えられる。

そして2つ目の注目点は、慶応義塾大、順天堂大、東洋大、日本大、立教大、早稲田大、甲南大などの難関私立大・有名私立大でも志願者数が多いという点だ。一般選抜の志願者数だけが注目されがちだが、実は総合型においても多くの受験生が集まり、競争率も高い学部・学科が目立っている。

そして3つ目の注目点は、東北芸術工科大、京都芸術大、京都精華大、大阪芸術大のように、芸術系の大学で志願者数が多いという点だ。2024年度の弊社集計では、芸術系は約2万2千人と教育・教員養成系、理工学系よりも多い志願者数となっている。芸術系では、実技試験や体験学習などが実施され、総合型で積極的に実施されているというのも大きな特徴の1つだろう。

また、志願者数トップ20の合計は約5万8千人で、全体の志願者数約15万人の40%弱を占めており、この部分においては一般選抜に近いと言えるかもしれない。

学校推薦型選抜情報

◆私立大:学校推薦型選抜(公募制)トップは近畿大

さきほどの総合型選抜に続き、私立大:学校推薦型選抜(公募制)の志願者数トップ20を見てもらいたい(2025年度は集計中のため、2024年度のデータを弊社年鑑より集計。指定校制・総合型選抜を含む大学は除外)。

◆2024年度 私立大:総合型選抜志願者数ランキング
順位 大学名 志願者数
1
近畿大
50,108人
2
龍谷大
28,465人
3
追手門学院大
18,232人
4
摂南大
14,162人
5
京都産業大
10,927人
6
関西学国語大
9,228人
7
佛教大
7,451人
8
大和大
6,656人
9
武庫川女子大
6,419人
10
大阪産業大
6,098人
11
京都橘大
5,615人
12
神戸学院大
4,850人
13
大阪工業大
4,769人
14
桃山学院大
4,418人
15
大阪経済法科大
3,757人
16
阪南大
3,550人
17
大阪経済大
3,353人
18
同志社女子大
3,028人
19
畿央大
2,586人
20
愛知淑徳大
2,137人

私立大:学校推薦型選抜(公募制)志願者数ランキングでトップ20までが志願者数2千人を超えている大学となっている。その中でも断然のトップは近畿大で、2位の龍谷大とは2万人以上の差があり、5位の京都産業大までが志願者数1万人を超えている大学となっている。このトップ20を見ていただいてもわかるとおり、愛知淑徳大を除く全ての大学が近畿地区となっている。学校推薦型選抜年鑑でも解説しているとおり、近畿地区の志願者数は全体の7割以上を占めているので、当然といえる結果だろう。

このトップ20に共通しているのは、プレ一般選抜という形式(書類・学力試験)の入試で実施しているということ。配点は、学力試験だけや調査書+学力試験と言った形式などとなっており、受験生にとっては合否のラインがある程度予測できるものとなっているのではないかと考えられる。

また、ほとんどの大学が出願条件は特に何もなく、併願制で実施していることが、受験生にとっては出願しやすい状況になっている。

そして、2025年度入試では東洋大が基礎学力テスト型を導入しており、間違いなくこのトップ20に入ってくる。ただし、東洋大や大東文化大が学力試験を導入したことによって、文科省は期日を守るようにというお達しを出している。今後は近畿地区の大学をはじめ、すべての大学に通達されることとなっている。このことが、2026年度の学校推薦型選抜にどのような影響を与えるかということは十分留意する必要がある。

ニュースフラッシュ

◆2025共通テスト確定出願状況:現浪合わせて3,257人増加したが、2年連続で50万人を割り込む

大学入試センターは、2025年度大学入学共通テストの出願確定状況を公表した。共通テスト参加大学は国立大81校、公立大95校、私立大522校、公立短大13校、私立短大116校、専門職大(公立大3校、私立大8校)の計838校となり、総数では前年度より減少となった。

最終出願者数は、前年より3,257人(0.2%)増の495,171人で、2年連続で50万人を割り込んだ。その内訳をみると、高校卒業見込者(現役)が86.0%(前年85.3%)、高校卒業者(浪人)が13.1%(同13.9%)、その他が0.9%(同0.8%)で、本年度は現役生が6,434人増、浪人勢が3,246人減で、特に現役生の増加が目立った。また、現役志願率は前年より若干あがり、45.5%と過去最高の状況が持続している。

高校の出身課程に大きな変動はなく、普通科が91.3%(前年91.3%)、理数科が1.8%(前年1.8%)、総合学科が2.0%(前年2.0%)、農・工業・商業科が1.0%(前年1.0%)、その他が3.9%(前年3.9%)となっている。

次に男女別の占有率をみると、男子は近年、減少傾向にあり、前年度の54.8%から今年度は54.6%と若干減少。女子は前年の45.2%から45.4%へ若干上昇している。

志願者のうち、成績通知希望者は全体の82.6%(前年81.8%)で、前年より希望率は若干増加した。

都道府県別(出身地別)に出願者数をみると、東京都の約7万8千人が群を抜き、次いで愛知県の3万5千人、大阪府の2万8千人、埼玉県の2万7千人、神奈川県の2万5千人、千葉県の2万3千人、兵庫県の2万1千人、福岡県の2万1千人など、やはり大都市圏が上位を占め、最も少ないのは鳥取県の2,329人であった。また、現役志願率が高いのは、東京都の58.6%をはじめ、広島県55.9%、愛知県54.5%、富山県52.5%、石川県の51.8%などで、全国平均の45.5%を下回ったのは29県(前年28県)で、特に沖縄県は32.1%の低水準にとどまっていることが注目される。

今年度の出願状況は、前年度と異なり減少幅は小さくなっている。生徒自体の人数の減少が横ばいになっていること、また、世界情勢や経済の先行きに不安を感じた生徒が、進学を迷っているケースなども指摘されていることが要因の1つとして挙げられる。

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