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AO・推薦入試エクストラ6月10日号

弊社調査で2015年度AO入試の実施状況が判明

AO入試情報

◆弊社調査で2015年度AO入試の実施状況が判明

現在、弊社では全国版「AO入試年鑑」を7月上旬に全国の高等学校へお届けするために作業を進めているが、6月1日時点で全ての国公私立大・短大のAO入試の実施状況調査が次のとおりまとまったのでご報告する。

<設置区分> <募集校数> <AO実施校数> <AO実施率(前年度)>
国立大 82校 47校 57.3%(56.1%)
公立大 84校 20校 23.8%(25.3%)
私立大 576校 464校 80.6%(81.3%)
公立短大 16校 5校 31.3%(29.4%)
私立短大 315校 259校 82.2%(80.4%)

国立大では、群馬大(理工)がAO入試(専門高校・総合学科特別入試)を新規実施し、実施校は1校増となる。公立大は前年度より学校数が1校増加するが、島根県立大・高知県立大がAOを廃止し、AO実施校は1校減となる。

私立大は、学生募集校が前年の577校から576校へ減少。新規実施の顔ぶれは大阪総合保育大、高野山大の2校。募集停止、AO廃止校もあり、AO実施校は前年度より5校減少している。

公立短大は、高知短大が募集停止になり、学生募集校が1校減少。AO実 施率は依然として低いままである。

私立短大は、本年度も募集停止が相当数あり、学生募集校は322校から315校へ減少。だが本年度から國學院大北海道短大部、常磐会短大、聖和短大、白鳳短大の4校が加わり、実施校数・実施率ともやや上昇している。

◆地区別:2015AO入試の地区別実施状況

弊社が調査した2015AO入試の地区別実施状況を示すと、次のとおりとなっている。

<地区> 国立大 公立大 私立大 公立短大 私立短大
北海道・東北 9校 6校 43校 1校 25校
関東 11校 3校 168校 0校 77校
中部 7校 2校 75校 1校 43校
近畿 6校 2校 101校 1校 52校
中国・四国 7校 2校 37校 2校 27校
九州 7校 5校 40校 0校 35校

国立大は各地区とも同程度の実施状況だが、公立大に関しては北海道・東北地区、九州地区の実施状況が目立っている。

私立大におけるAO実施校は、やはり関東地区が168校と群を抜いて多く、次いで近畿、中部となるが、実施率で見ると中部、中四国の2地区が高く、逆に低いのは北海道・東北地区となっている。

私立短大の場合、実施率が全国平均(81.9%)を上回っているのは、関東、中国・四国、九州の3地区のみ、近畿地区はほぼ平均並み、中部地区は71%、北海道・東北地区は全体の67%程度と最もAO導入率が低い。

推薦入試情報

◆私立大:公募制推薦の地区別特徴

私立大の公募推薦入試の動向を形成する要因として、(1)成績基準の高低や有無、(2)専願制か併願制か、(3)選考方法(受験負担の軽重)、(4)大学の知名度、の4つがあげられる。これら4つの要因がどうからむかによって、各地区の入試動向が決定づけられるといっても過言ではない。

<北海道・東北地区、関東地区>
人気私立大の多くが3.5以上の高基準で、かつ専願制が主流であるため、志願者数は多いところでも千人前後の規模で、年度ごとの変動も小幅にとどまる。選考法では学科試験より小論文が多いのも、受験生には心理的なブレーキとなっている。
<中部地区>
全般に成績基準が緩やかで併願制も多いが、志願者が千人を超える私立大はごく一部に限られる。その中では中京大の志願者数が群を抜く。選考方法では、基礎学力試験を課すタイプが増加傾向にある。また、年度により隔年現象がよく見られる地区なので要注意だ。
<近畿地区>
例年、公募志願者数が全国の5割強を占める最激戦地区である。それは成績基準撤廃、併願制、軽量型学科試験中心という3つの要因がそろい、なおかつ人気の高い中堅上位校群の多くが一般推薦を実施するためである。特に近畿大、龍谷大、京都産業大の3校が抜きん出ており、大学・学部・学科によっては、15~30倍もの激戦となるケースが珍しくない。
<中国・四国地区>
成績基準が全般に緩やかで併願制が主流だが、地元大学の推薦活用は低調である。知名度の高い私立大が限られ、高学力層は国公立大へ流れる傾向が目立つ。
<九州地区>
この地区の主要私立大は専願制が中心で、成績基準もやや高く、推薦戦線はさほど活発ではない。ほとんどが1倍台の競争率で、志願者数も少ないが、その中では福岡大の人気が群を抜く。

弊社調査でみる私立大の地区別志願・合格状況(2013年度)

弊社では例年、公募制昼間部(一般・ユニーク推薦)の志願者数・合格者数の調査を行っている。データ非公表や指定校制等を含むケースもあるが、公募全体の動向を把握するための目安として実施している。2014年度の集計はまだ完了していないので、2013年度の集計結果を用いて、各地区の志願者数・合格者数をみると、下記グラフのとおりとなっている。

 

私立大の地区別 志願者・合格者状況(2013年度)

 

近畿地区の公募推薦戦線は群を抜くスケールで、平均倍率も2.9倍と全国で最も高い。関東地区は少数精鋭戦、近畿地区はマスウォーと対照的な構図が明白に見て取れる。

ニュースフラッシュ

◆平成25年度大学等卒業者の就職状況調査を公表

文部科学省と厚生労働省が平成26年3月大学等卒業者の就職状況を調査し、このほど平成26年4月1日現在の状況をとりまとめたのでご紹介する。

<全体の概要>
大学等(大学、短大、高等専門学校)を合せた就職率は94.7%(前年同期比0.4ポイント増)。専修学校を含めると94.5%(同0.2ポイント増)。  大学の就職率は94.4%(前年同期比0.5ポイント増)。このうち国公立大の就職率は96.7%(同1.4ポイント増)、私立大は93.7%(同0.3ポイント増)、短大は94.2%(同0.5ポイント減)、高等専門学校100.0%(増減なし)、専修学校93.0%(同1.1ポイント減)となっている。
<男女別の概要>
男女別では、男子大学生の就職率は93.8%(前年同期比0.6ポイント増)、女子は95.2%(同0.5ポイント増)。また、国公立大では、男子95.9%、女子97.4%、私立大では、 男子93.1%、女子94.4%となっている。
<文系・理系別の概要>
文系・理系では、国公立大では文系96.9%(前年同期比1.6ポイント増)、理系96.1%(同1.0ポイント増)、私立大では文系93.2%(同0.3ポイント増)、理系96.5%(同0.6ポイント減)となっている。
<地区別の概要>
地区別では、北海道・東北地区92.8%(前年同期比1.4ポイント増)、関東地区96.4%(同0.6ポイント増)、中部地区95.4%(同0.4ポイント増)、近畿地区93.8%(同0.6ポイント増)、中国・四国地区92.8%(同1.0ポイント 減)、九州地区90.8%(同0.2ポイント増)となっており、中国・四国地区だけが前年比減少となっている。

大学生の就職率は、3年連続の改善となっている。その要因として、景気回復を背景に企業の採用意欲も高く、就職環境の改善が続いていることがあげられる。中小企業では人材確保が厳しいところもあるが、大企業では厳選選考の傾向はまだ続いているようだ。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

◆AO入試(3):国公私立大・短大別出願要件の概要と特徴

本年度は大学入学者選抜実施要項の改訂から5年目となり、そのガイドラインがより広く浸透しつつある。AO入試における出願要件の設定状況は、国立・公立・私立ごとかなり差異があり、それぞれの概要と特徴を十分ふまえて、生徒の指導に臨む必要がある。

■国立大
推薦入試と比べると、全般的には成績基準の設定は少ない。設定しているケースでは、ほぼ推薦入試と同レベルかやや低いと考えてよい。センター試験を課すか否かによっても違いがあり、センター試験を用いるAO入試では成績基準を設けないのが一般的だ。近年はセ試併用型がかなり増えつつあるので注意したい。
 ただし、国立大のAO入試では、アドミッションポリシーと「求める学生像」を厳密に設定しているのが特徴で、これに沿って出願希望者のマッチングを綿密に検証しなければならないだろう。
■公立大
公立大におけるAO入試は、推薦入試と比べると全国型を主流としている。成績基準の設定は全般に少なく、設定校でもさほど高くはない。ただし、一部の公立大では出願要件に各種の取得資格を組み入れているので注意する必要がある。
■私立大
近年の私立大AO入試では、アドミッションポリシーや「求める学生像」を明示する傾向が定着しつつあるので、十分留意してほしい。これが、出願要件の中核をなすことは言うまでもなく、特に上位私立大では重視される。
 弊社の2014年度調査で、AO入試に成績基準を必須条件として設けた私立大は75校で、全体の14.7%と少ない。出願要件に教科の評定平均値を明示する方向が打ち出されてはいるが、私立大ではほとんど新規設定の動きはみられない。
 一方、取得資格・活動実績を必須条件として出願要件に組み込んだ私立大は、116校(19.3%)と多い。複数条件の1つとしているのは103校(17.1%)で、両方を合せると36.4%となる。
■公立短大
AO実施5校のうち、成績基準の設定は2校、取得資格の設定も1校という状況で、出願要件はきびしくない。ただ、「求める学生像」へのマッチング度は十分検討する必要がある。
■私立短大
全般に私立短大におけるAO入試の出願要件は、きわめて緩やかと考えてよい。2014年度の弊社調査では、成績基準を必須条件としたのは23校(8.6%)とわずか。取得資格・活動実績に関しては、必須条件が12校(4.5%)、複数条件の1つが31校(11.6%)で2割に満たず、4大と比べるとずっと少ない。

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