1. エイビ進学ナビTOP
  2. AO・推薦入試エクストラ(エイビ教育ニュースフラッシュ)
  3. >4月25日号

AO・推薦入試エクストラ4月25日号

AO入試変更の国公私立大(速報)

AO入試情報

~AO入試変更の国公私立大(速報)~

  • ■東京工大 (1)第1類のセ試を課さないAOを廃止、(2)第2~6類でセ試を課すAOを導入。募集人員は75人。1次=セ試5教科7科目・書類、2次=総合問題(筆記・面接。第6類は造形課題または面接を選択可)で選考。
  • ■福井大 工学部電気・電子工学科でセ試を課すAOを導入。
  • ■島根大 総合理工学部でセ試を課す理工特別コースAOを導入。
  • ■広島大 (1)理学部物理科学科で総合評価方式3型を廃止、(2)工学部第二類の総合評価方式で「セ試を課す」に変更。
  • ■琉球大 法文学部人間科学科の人間行動専攻課程でセ試を課すAOを廃止。
  • ■青森県立大 理学療法学科で「セ試を課す」に変更。
  • ■岩手県立大 看護学部でAOを廃止。
  • ■京都府立大 文・生命環境学部でAOを廃止。
  • ■北九州市立大 外国語学部英米学科でセ試を課さないAOを導入。
  • ■慶應大 法学部で全国を6ブロックに分け、学科ごとに各ブロック最大10人ずつ募集する地域枠AOを導入。

その他、今後判明する変更・新情報は順次本メルマガでお伝えしていくが本年度は期エントリー型日程を8月1日以降に変更する動向が目立つので留意してほしい。

◆実施要項変更2年目の私立大追跡調査を実施

弊社では前年に続き、大学入学者選抜実施要項の改訂に関する私立大側の対応と動向を跡調査し、7月発行の「AO入試年鑑」において特別レポートとして公表します。私立大AOの動向を把握する上で、貴重な資料となるはずです。

◆私立大ではAO・推薦・一般の3段階型入試が定着

この数年、国公立大でのAO導入は低調だが、私立大・短大では実施校の増加、導入学部・学科の拡大がめざましい。2011年度現在、国公私大別の実施状況は次のとおり。

私立大学・私立短期大学入学者入試区分(AO)

 

2012年度の場合、新規に導入する国立大はないが、公立大では鳥取環境大が公立大学法人に移行するので1校増える。私立大では2011年度の新設5校の多くが新規実施するとみられるので若干増加する見込み。また、国公私大とも新規に導入する学部・学科は拡大すると予測される。特に私立大・短大ではAO入学者比率が上昇しているので、その対策には万全を期す必要がある。2012年度AO入試の最新情報は7月発行の弊社「AO入試年鑑」で確認してほしい。

推薦入試情報

~推薦入試変更の国公立大(速報)~

2012年度から推薦入試を変更する国公立大の情報を速報する。

  • ■埼玉大 工学部環境共生学科でセ試を課さない推薦を廃止。
  • ■東京工大 第1類でセ試を課す推薦を導入。
  • ■金沢大 (1)理工学域でセ試を課さない推薦を廃止、(2)人間社会学域の地域創造学類(地域プランニング)で「セ試を課す」に変更。
  • ■岐阜大 (1)教育学部(心理学・教職基礎)でセ試を課さない推薦を廃止、(2)教育学部(理科教育)でセ試を課す推薦を廃止。
  • ■名古屋大 工学部で「セ試を課す」に変更。
  • ■神戸大 経営学部でセ試を課す推薦を導入。
  • ■熊本大 教育学部(中学校‐国語)でセ試を課す推薦を廃止。
  • ■大分大 教育福祉科学部(学校教育‐英語)でセ試を課さない推薦を廃止。
  • ■宮崎大 工学部電気電子・情報システム工学科でセ試を課す推薦を導入。
  • ■鹿児島大 農学部獣医学科でセ試を課す推薦を導入。
  • ■岩手県立大 社会福祉学部の一般推薦で全国枠を新設。
  • ■三重県立看護大 地域推薦と一般推薦を同日実施から別日実施に変更。地域推薦の募集枠を明示(5人)。
  • ■滋賀県立大 工学部でセ試を課さない専門・総合学科推薦を導入。
  • ■広島市立大 芸術学部(美術‐彫刻)でセ試を課さない自己推薦を導入。

◆実施要項変更2年目の私立大追跡調査を実施

弊社では前年に続き、大学入学者選抜実施要項の改訂に関する私立大側の対応と動向を追跡調査し、9月初旬発行の「推薦入学年鑑」において特別レポートとして公表します。私立大推薦の成績基準・選考法等の変更や新動向を把握する上で、貴重な資料となるはずです。

◆2012年度は国公私大とも実施校が増加

公募制推薦入試の実施率は、国公私立大・短大ともきわめて高い。2011年度現在、実施状況は次のとおりとなっている。

大学・短期大学入学者入試区分(推薦)

 

この数年、国立では北海道大、京都工繊大、九州大などAO入試へ転換した大学が多く、実施校数はやや減少。また、東北大・一橋大・広島大などではごく一部の学部しか実施していない。

2012年度の場合、国立では東京工大(第1類)、公立大では鳥取環境大(公設民営→公立大学法人)が増える。私立では、同朋大・名古屋音楽大・名古屋造形大の3校が統合(同朋芸術文化大学)するが、2011年新設の5校が加わるのでやや増加する。また、2012年度新設予定の7校のうち、認可がおり次第実施するケースもあるので留意してほしい。私立短大では、横浜創英短大と大阪樟蔭女子短大部の募集停止が判明している。

ニュースフラッシュ

~青山学院大が人文・社会系7学部のキャンパス移転を1年延期~

被災した学生に対しては授業料減免などの措置を講じて支援していく方針をいち早く表明した青山学院大では、入学式を中止するなどの行事の変更はあったもののキャンパス・校舎は被災からまぬがれ、新学期をスタートさせている。しかしながら人文・社会科学系7学部(文・教育人間科学・経済・法・経営・国際政治経済・総合文化政策学部)15学科の全学年学生を2012年度より青山キャンパスに再配置するという計画の変更を余儀なくされ、2013年度に延期することを決めた。

同大ではこの再配置のために、2012年1月の竣工を目ざし、青山キャンパスにツインタワービル(17号館)を建設中であったが、今回の震災は建設資材や電力の不足を招いており、工期自体の遅延が予測されることはもちろんだが、なによりもこの新校舎建設に要する資材とマンパワーを被災地へ集中的に投入すべきだとする、同大のキリスト教信仰に則った建学理念と教育方針に基づいて決定されたものであると説明。また2012年に青山キャンパスへ移ることを期待して入学した学生や保護者に対しては、説明会を開くなどして、被災地復興優先に貢献するための苦渋の決断あることに広く理解を求めていくとしている。

【連載コラム】AO・推薦入試基礎講座

~推薦入試1:入試制度の沿革・概要・現状~

昭和30年代、推薦制はすでに私立大の一部で導入されていたが、文科省は1966年(昭和41年)に推薦制と能研テストを柱とする国立大学入試実施要項を発表した。つまり、戦後の大学入試で正規に推薦入学が実施されるようになったのは、1967年度入試からということになる。ちなみに、1970年当時の実施校は、国立大6校、公立大3校、私立大114校に過ぎなかった。その後の増加の推移については、弊社「推薦入学年鑑」に詳細を紹介しているので参考にしてほしい。

推薦入試に関する文科省施策の重要な軌道修正をみると、次のようになっている。

(1)1995年度:推薦規制策の実施
公募推薦だけで私立大の志願者が軽く50万人を超える過度のフィーバーぶりと無秩序なありように対し、文科省は1.推薦定員の制限(大学3割、短大5割以内)、2.実施時期の制限(出願開始11月1日以降)、3.学力検査免除の徹底、という3つの歯止めをかけた。これによって、西日本を中心に“地すべり的な志願減現象”が広がったが、一方ではユニーク推薦拡大の契機ともなった。
(2)2000年度:定員規制の緩和
18歳人口の減少につれて、私立大・短大の定員割れを危惧した文科省は、定員規制を大学5割、短大は撤廃と大幅に緩和。再び推薦入試シフトが強まる。
(3)2007年度:入試区分名称と学力検査に関する修正
文科省は入試実施状況の統計等で用いていた「推薦入学」の名称を「推薦入試」へ変更。「学力検査の免除を徹底」という項目を「原則として免除」という表現へ改めた。
(4)2008年度:国立大が推薦定員枠を拡大
それまで推薦定員枠を3割以内としていた国立大は、後期日程の廃止を容認すると同時に、推薦単独または推薦+AOの上限定員を5割へ引き上げた。
(5)2011年度:学力把握措置を明確化
大学入学者選抜実施要項の大幅な改訂によって、推薦入試でも初めて具体的な学力把握措置が義務づけられることになった。

大学入学者選抜実施要項の大幅な改訂によって、推薦入試でも初めて具体的な学力把握措置が義務づけられることになった。

スタートから半世紀近い歴史を持つ推薦入試は、高校側の見識に基づき、生徒の高校教育と大学教育とのスムーズな接続を図る上で重要な役割を担い続けてきた。今日の公募推薦は、ユニーク推薦(上位私大群も活発に導入)の拡大と共に複線化・多様化している。

そして、2011年度現在、推薦入試の実施状況と推薦入学者比率は次のようになっている。

  • <実施状況>国立大82校中74校(90.2%)、公立大79校中76校(96.2%)、私立大569校中540校(94.9%)、公立短大18校中18校(100%)、私立短大337校中334校(99.1%)
  • <入学者比率>国立大12.6%、公立大23.4%、私立大40.9%、公立短大45.5%、私立短大62.8%

国公私大を問わず、推薦入試が大きな比重を占めており、高校進路指導でも推薦対策の充実化が不可欠である。推薦入試は「高校3年間の充実した生活」が決め手。できる限り、高校1・2年次の早期からガイド・助言を徹底するのが望ましい。また、国公私大ごと、推薦入試の実施形態は異なるが、それに関しては弊社の全国版「推薦入学年鑑」を参照してほしい。

AO・推薦入試エクストラ(メールマガジン)お申し込み

株式会社栄美通信編集部が、高等学校の先生方に必要であろうと思われる教育関連のニュースを簡潔にまとめ、AO入試年鑑、推薦入学年鑑の情報なども織り込み、隔週でお届けするメールマガジンです。進路指導や職員会議など、様々な用途にお役立ていただければ幸いです。

メルマガお申し込み