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AO・推薦入試エクストラ4月25日号

AO入試対策:2020生徒指導スタートのポイント

AO入試情報

◆AO入試対策:2020生徒指導スタートのポイント

2020年度入試に向けスタートを切るに当たり、AO入試対策に関する基本的な指導ポイントを整理しておこう。言うまでもなく、大学によりAO・推薦の実施状況は異なる。AO入試のみでは志望校の選択範囲は限られる(特に国公立大)。AO・推薦・一般入試の3区分を通して受験態勢を確立し、最終的には一般入試のための学習対策を貫徹する姿勢が大切であることを早い段階から十分生徒に周知しておくことが肝心だろう。

その上で、AO入試を活用させる際のキーポイントとして、次のような事柄があげられる。

  • (1)第1志望校(学部・学科)を早期に確定すること。AO入試の多くは専願制で実施される(私立大では8割程度が専願制)。入学して悔いのない大学・短大であることが、生徒の将来にとって重要である。
  • (2)AO入試は、個性豊かな学習や活動に取り組んでいる生徒に向く。多様な生徒の中には、いわゆる受験のための学習にはさほど熱意はないが、ユニークな自主研究や課外活動・資格取得には情熱を注ぐ者も多い。そうした若者にとって、人物重視型のAO入試は最適の受験ルートになる。
  • (3)大学入学後、また大学卒業後にやりたいことが明確であること。AO入試では大学入学の目的や計画、将来のヴィジョンがきびしく問われるので、高3の早い段階で、将来を含めた進路計画ができている生徒に向く。中堅私立大群の場合、推薦入試の成績基準や合格者レベルには届かなくても、入学熱意や大学生活への目的観などによって、AO入試で合格できるケースも多々ある。
  • (4)AO入試の選考法は多彩で、生徒に向くパターンの選択に留意させること。多くの書類のほか、面談・面接、課題レポート、小論文、集団討論、スクーリング、センター試験など様々な選考法があり、生徒の個性・能力に適した選考法のチェックにも注意させる必要がある。特に国立大志望者にとっては、年間を通してセ試対策を貫徹することが大切であるが、京都大、大阪大の導入を契機にAO実施校は着実に増加しており、AO戦線には新たな展開がみられそうだ。

なお、7月上旬には弊社の全国大学・短期大学「AO入試年鑑」が発行されるので、これも生徒の啓発に役立ててほしい。

◆AO入試による大学入学状況(入学者比率)

この10数年で、AO入試の実施状況は格段に進展したが、設置者別にみると、それぞれの入学者比率・入学者数には大きな差異がみられる。2018年度の文部科学省統計によると、AO入学者が全体に占める比率は、下記グラフのとおりとなっている。


AO入試区分の大学入学者比較


文科省の2018年度入試結果統計によると、2017年度と比べ、国立大は全体の入学者は微減、AO入学者数は354人増で、AO入学者比率は前年より0.4ポイント上昇して3.7%であった。公立大は全体の入学者数、AO入学者数とも増加して、AO入学者比率は2.4%→2.8%へやや上昇した。

私立大の場合、全体の入学者数が約3千2百人減、AO入学者数が約3千3百人と大幅に増え、AO入学者比率は、前年の10.7%から11.4%へ増加している。

一方、短大では公立・私立とも入学者数が減少し続けているが、私立短大におけるAO入学者比率はこの4年で21.9%→22.9%→24.8%→26.5%と大幅に高まっていることが注目される。

推薦入試情報

◆推薦入試対策:2020生徒指導スタートのポイント

2020年度入試に向けてスタートを切るに当たり、推薦入試に関する基本的な対策・指導の主要ポイントを整理しておこう。言うまでもなく、推薦入試は国公私を問わず、導入率が高く、実施学部も豊富なので、現役合格の確保には欠かせない受験ルートだが、最終的には一般入試の学習対策も貫徹する姿勢が大切であることを早い段階から十分生徒に周知しておくことがきわめて大切である。

その上で、推薦入試を活用させる場合のキーポイントとして、次のような事柄があげられよう。

  • (1)国公立大は全て専願制だが、私立大には専願制・併願制の2タイプがあること。当然ながら、専願制のケースは第1志望であることが望ましく、入学して悔いの生じない大学・短大であることが、生徒の将来を大きく左右する。併願制のケースは、中部・近畿・中四国に多く、複数校の併願も可能だが、やはり志望熱意の高い大学・学部を選択するのが原則だ。
  • (2)一般推薦・ユニーク推薦の2タイプがあること。募集枠からみれば一般推薦が主流で、このタイプではやはり一定程度以上の成績水準(3.0~3.5以上)が必要になるので、前期の校内テストにはベストを尽くすよう指導しておきたい。ただし、学力試験を主要な選考法とするケース(特に近畿地区)は、成績基準を設けないのが一般的だ。いずれにしても、第1志望校の成績基準は、3年次の早い段階で確認させておく必要がある。
    一方、ユニーク推薦は、自主的な特別・課外・社会活動や各種の検定資格等の実績を持つ者に向く。推薦入試が多様な個性・資質・キャリアを受け入れる入試ルートであること、上位私立大群も活発に導入していることを周知しておきたい。
  • (3)学習・生活の両面でまじめさが必要なこと。推薦入試は調査書によって、高校時代の学習状況(所見含む)と出席状況その他の生活態度をきびしく検証する入試である。成績が志望校の基準を満たさない者はむろん、欠席日数がきわめて多い者、出席停止の記録がある者などは推薦入試の活用は難しい。
  • (4)主要な選考法は、調査書プラス面接(口頭試問含む)、小論文、学力試験、実技の4タイプ。志望校の選考法を十分研究し、ふだんから基礎学力強化を含め万全の対策を徹底することが大切である。また、国公立大志望者は年間を通してセ試対策にもベストを尽くすことも肝要だろう。

◆推薦入試による大学入学状況(入学者比率)

推薦入試制度の歴史は長く、国公私立大・短大それぞれで定着している。2018年度文科省統計によると、指定校制を含む入学者比率(推薦入学者数)は、下記グラフのとおりとなっている。


推薦入試区分の大学入学者比較


国立大の推薦入学者比率は若干低下傾向にあったが、2018年度は歯止めがかかり、比率は前年と同じ12.2%となった。公立大は、前年度に続き、全体・推薦入学者数ともにやや増加し、推薦入学者比率は24.4%→24.6%へ若干上昇した。私立大の場合は、かなり変動している。全体の約3千2百人減に対して、推薦入学者数は1千人弱増加して、推薦入学者比率は40.1%→41.0%と4割台をキープしている。

一方、短大の方は公私とも全体の入学者数、推薦入学者数はともに減少したが、推薦入学者比率は公立が42.3%→43.3%に若干上昇し、私立が60.6%→58.3%に減少している(私立短大はAO入学者比率が増加)。

ニュースフラッシュ

◆私立大・学部・学科等の新増設・改組予定情報速報

2020年度に大学、学部、学科等の新増設・改組等を予定しているケースがかなり多い。この3月末時点で判明している情報をご紹介しておく。

<大学の新設>(カッコ内は開学予定地)

■東都学院大
保健医療学部=理学療法学科(東京都目黒区、神奈川県茅ケ崎市)
■湘南鎌倉医療大
看護学部=看護学科(神奈川県鎌倉市)
■名古屋柳城女子大
こども学部=こども学科(愛知県名古屋市)
■高知学園大
健康科学部=管理栄養学科・臨床検査学科(高知県高知市)

<学部・学科等の新設・改組>

■北海道医療大
医療技術学部に臨床検査学科を増設
■東北工業大
建築学部を開設
■浦和大
総合福祉学部に現代社会学科を増設し、社会学部へ名称変更
■十文字学園女子大
人間生活学部を人間生活・教育人文・社会情報デザインの3学部に改編
■尚美学園大
スポーツマネジメント学部を開設
■駿河台大
スポーツ科学部を開設
■植草学園大
理学療法学科をリハビリテーション学科に改組(作業療法学専攻を増設)
■麗澤大
国際学部を開設
■和洋女子大
国際学部を開設
■桜美林大
航空・マネジメント学群を開設
■共立女子大
ビジネス学部を開設
■慶応義塾大
理工学部の募集単位を「学門A~E」に変更。電子工→電気情報工学科に名称変更
■成蹊大
経営学部を開設。経済学部を経済数理・現代経済の2学科体制に改組
■専修大
国際コミュニケーション学部を開設。経済学部で経済学科を現代経済・生活環境経済の2学科に分離・改組
■大正大
社会共生学部を開設
■東京都市大
工・知識工の2学部を理工・建築都市デザイン・情報工の3学部に改組
■日本赤十字看護大
さいたま看護学部を開設
■明星大
建築学部を開設
■神奈川大
国際日本学部を開設
■神奈川工科大
工学部臨床工学科、応用バイオ科学部栄養生命科学科(管理栄養学科に名称変更)、看護学部を再編・統合して健康医療科学部を開設
■岐阜医療科学大
薬学部を開設
■静岡産業大
スポーツ人間科学部を開設
■愛知学泉大
家政学部をライフスタイル、管理栄養、こどもの生活の3学科制に改組(各専攻を学科に再編)
■中京大
国際英語・国際教養の2学部を国際学部として統合
■日本福祉大
子ども発達学部を教育・心理学部に名称変更
■四日市看護医療大
看護→看護医療学部へ名称変更し、臨床検査学科を増設
■京都外国語大
ロシア語学科を増設
■京都先端科学大
工学部を開設
■京都文教大
こども教育学部を開設
■龍谷大
理工学部を先端理工学部に改組
■大阪総合保育大
乳児保育学科を増設
■大阪電気通信大
医療福祉工→医療健康科学部に名称変更
■大阪人間科学大
保健医療・心理の2学部を開設
■摂南大
農学部を開設
■大和大
理工学部を開設
■森ノ宮医療大
診療放射線学科を増設
■甲南女子大
国際学部を開設
■園田学園女子大
経営学部を開設
■高野山大
文学部に教育学科を増設
■広島国際大
健康スポーツ学部を開設。医療福祉・心理・医療栄養・医療経営の4学部を健康科学部に統合・改組
■安田女子大
現代ビジネス学部に公共ビジネス学科を増設
■宇部フロンティア大
心理学部を開設
■西南学院大
文学部を外国語学部に改組

<専門職大学の新設>(カッコ内は開学予定地)

■保健科学専門職大
医療技術学部=災害・救急マネジメント学科、地域リハビリテーション学科(千葉県千葉市、石川県七尾市)
■東京医療福祉専門職大
医療福祉学部=生命医療学科、医療技術学科、看護保健学部=看護学科(東京都新宿区)
■東京国際工科専門職大
工科学部=情報工学科、デジタルエンタテインメント学科(東京都新宿区)
■東京専門職大
医療福祉学部=リハビリテーション学科(昼・夜)、福祉介護イノベーション学科(東京都江東区)
■i専門職大
ICTイノベーション学部=ICTイノベーション学科(東京都墨田区)
■開志専門職大
事業創造学部=事業創造学科、国際観光学部=国際観光学科、ICT高度情報学部=ICT高度情報学科、アニメ・マンガ学部=アニメ・マンガ学科(新潟県新潟市)
■名古屋医療福祉専門職大
医療福祉学部=生命医療学科、医療技術学科、看護保健学部=看護学科(愛知県名古屋市)
■藍野専門職大
リハビリテーション学部=理学療法学科、作業療法学科(滋賀県東近江市)
■大阪医療福祉専門職大
医療福祉学部=生命医療学科、医療技術学科(大阪府大阪市)
■専門職大学
和歌山国際厚生学院 健康科学部=リハビリテーション学科(和歌山県和歌山市)
■島根リハビリテーション専門職大
健康科学部=理学療法学科、保健療法学科(島根県仁多郡奥出雲町)
■岡山専門職大
健康科学部=理学療法学科、作業療法学科(岡山県岡山市)
■国際貢献専門職大
国際貢献学部=国際アグリビジネス学科(福岡県福岡市)
■熊本健康創生専門職大
看護学部=看護学科(熊本県宇城市)

<専門職学科の増設>

■名古屋産業大
現代ビジネス学部に経営専門職学科を増設

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