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総合型・推薦型選抜エクストラ11月10日号

私立大:2023公募推薦入試の全国統計レポート

総合型選抜情報

◆大学側が実施する入学前教育とその対応

総合型選抜で現役合格を確保した生徒たちにとって、12月~翌年3月までの学習と活動は、きわめて大切である。生徒たちが大学生活に向けて、学力の質向上や人間形成面で努力することが求められる。そこで、大学側も様々な入学準備教育のプログラムを用意しているが、そのパターンや特徴を見ると同時に、高校側の留意点をチェックしておきたい。

(1)基礎学力の補強添削型
入学予定者に主要教科(理系は英・数・理中心、文系は国・地公・英中心)の基礎学力を改めて再確認させ、補強することを主眼とする大学では、問題冊子等を送付して、その学習を求める。このタイプでは、外部の予備校・添削会社に委託して、通信添削の形式で実施するケースもある。生徒がまじめに課題に取り組んでいるか、見守る必要がある。
(2)課題・推薦図書に基づくレポート提出型
大学側が一定の課題図書、推薦図書を設定し、入学予定者が希望の図書に沿って小論文なり、レポートを仕上げ提出するタイプで、全般的にはこのタイプが主流を占める。大学によって、入学までに1~3回と課す回数は異なる。課題を選ぶ際、取り組み方、書き方など、基本的なアドバイスをして、生徒の成長をサポートしたい。
(3)スクーリング型
地元・地域の受験生が中心になる大学・短大では、入学までに数回のスクーリングを設定して、入学予定者に大学生活の準備、入門講義、基礎的な演習・実験、レポートなど、様々なプログラムを実施して、高校生活からスムーズに大学生活を迎えられるようサポートする。一般的に土・日を利用して実施されるので、高校の授業にも支障はない。生徒が必ず参加するよう留意してほしい。
(4)総合プログラム型
入学準備教育の内容・質が高く、複数の内容を組み合わせて、大学生活にふさわしい資質を育成しようとするタイプ。成蹊大経営学部の例(2022年度)をあげると、(1)課題図書の内容要約と感想(指定された課題図書リストから2冊を読んで、指定された用紙に要約等を記述する)、(2)経営学・会計学エッセイに基づく考察(指定されたエッセイを2つ読んで、日常生活を経済学・経営学の視点から考察する)、(3)TOEICテストの対策課題、の3つがある。生徒にとってかなり時間と労力を要する内容だが、まじめに取り組めばそれなりの成果が期待できるので、高校側もサポートを通じて、生徒の成長を見守りたい。
(5)強化合宿型
小論文やレポートの提出も課すが、最終的には総合型入学予定者だけの2~3泊の合宿を実施して、入学準備教育の仕上げを行うタイプ。内容は入門ガイド、基本教科の重要事項の補強など。この形態をとる大学は少ないが、合宿参加で生徒の姿勢は大きく変化するので、必ず参加するよう勧めたい。
(6)共通テスト・外部検定試験の受験型
全体からみれば数は少ないが、共通テストの受験、外部検定試験の受験を義務づけるケースがある。広い意味で、入学準備教育の一環として実施しており、これらの受験を怠った場合、入学許可を取り消すケースもあるので十分注意したい。

学校推薦型選抜情報

◆私立大:2023公募推薦入試の全国統計レポート

弊社では、毎年、私立大の公募推薦入試に関する諸統計をまとめている。今号では、地区別実施学部数の詳細をご紹介する(全国集計は弊社「学校推薦型選抜年鑑」の解説ページにグラフを掲載。複合学部は複数扱いで集計)。

<地区別公募推薦実施学部数> *ユニーク推薦含む
北海道
東北
関東 中部 近畿 中国
四国
九州
人文科学 20 94 43 65 20 26
社会科学 43 159 93 112 32 39
教育(教員養成) 14 64 32 46 20 19
理・工学 10 61 19 33 12 19
農・水産・獣医 2 18 3 4 2 1
保健・医療 34 115 60 67 24 28
生活科学(栄養) 11 30 20 23 14 11
芸術 6 19 8 14 7 5
スポーツ・体育(健康) 5 20 21 15 9 8
(計) 145 580 299 379 140 156

全ての学部系統にわたって実施学部の層が厚いのはやはり関東地区、次いで近畿・中部の2地区だろう。全地区とも人文科学系、社会科学系、保健・医療系、教育系、理工学系の5分野は豊富にそろっているが、その他の分野については地区によってかなり格差があるので注意する必要がある。

特に実施学部数が地区で10校未満の系統の志願動向には十分注意する必要があり、農・水産・獣医系は関東地区への一極集中が目立っている。全般的には、就職実績や資格志向の目立つ分野、例えば保健・医療系、教育系、管理栄養系などの人気が目立っている。

◆私立大:2023地区別一般推薦の成績基準の設定状況

私立大における一般推薦の成績基準の設定状況は、地区によって大きな差異があるので、十分留意してほしい(全国集計は弊社の「学校推薦型選抜年鑑」の解説ページにグラフを掲載)。

1
北海道
東北
関東 中部 近畿 中 国
四国
九州 (計)
なし 8 45 52 94 19 17 235
2.7 0 2 1 0 1 5 9
2.8 0 0 0 0 0 0 0
2.9 0 0 0 1 0 0 1
3.0 11 54 28 7 14 15 129
3.1 0 3 0 0 1 1 5
3.2 10 34 9 6 2 7 68
3.3 11 31 15 1 1 6 65
3.4 3 12 2 0 2 0 19
3.5 27 46 16 6 6 15 116
3.6 5 5 2 0 1 1 14
3.7 3 3 3 0 0 5 14
3.8 4 11 2 0 2 3 22
3.9 0 2 0 0 0 0 2
4.0 1 12 0 4 0 1 18
4.1 0 1 0 0 0 0 1
4.2 0 1 0 0 0 0 1
4.3 0 0 0 0 1 1 2

上記の表から分かるとおり、成績基準の設定が最もきびしいのは関東地区、次いで北海道・東北地区の東日本。反対に基準設定が緩やかな地区としては近畿地区があげられ、基準を設けないケースが8割近くを占める。次いで、中部地区、中国・四国地区の基準が緩やかで、こと成績基準については「東高西低」の構図が明白に見て取れる。また、学力把握措置の強化と同時に、近年は基準撤廃のケースが若干増加し、3.0~3.4のゾーンの設定が増える傾向にある。

ニュースフラッシュ

◆東京工業大と東京医科歯科大が新大学へ統合

国立の東京工業大と東京医科歯科大が統合への検討を開始したことは、先般の本誌メルマガでお伝えしたが、10月14日、両大学の学長が記者会見し、2024年度中に1つの新大学に統合すると発表した。両学長は「異なる学術分野を融合させ、社会課題を解決していく」と説明。政府が進める大学ファンドについては「統合の目的を実現する手段になると判断できれば申請したい」とした。

世界水準の教育研究活動が期待される「指定国立大学」同士の統合はわが国で初めてである。統合後も、当面は現状の入試や定員、カリキュラムなどは維持し、2028年3月をめどに変更点を詰める。大学名は、学生や教職員、学外からも募って決める方向。共同キャンパスを造ることも検討している。

これまでの議論では、法人を統合して両大学を残す方式も検討したが、「自由でフラットな人間関係で、失敗を恐れずチャレンジできる組織を一から作ることが可能」として、1つの大学になる未来を選んだ。

その背景には、世界的な研究競争の活発化により、研究力を強化できなければ優秀な研究者も集まらず、未来に生き残っていけないという強い危機感がある。国内の「指定国立大学」の席に甘んじていては、グローバルな成長は望めない。

政府は大学の国際競争力の強化をねらい、10兆円規模の大学ファンド(基金)で支援する制度を創設したばかり。運用益をもとに、5~7大学に対して、2024年度から年に数百億円ずつ支援する。対象となる「国際卓越研究大学」の公募を近く始める。両大学は統合によって研究力を強化し、応募を目ざす方向だ。

国が2021年度に国立大に配分した運営費交付金の額で、東京工業大は10位の213億円、東京医科歯科大は19位の138億円。統合後は計356億円となり、上位10校に入る北海道大や筑波大に並ぶ規模になる。ただ、東京大の835億円は突出している。

いずれにしても、両大学が新大学の設計をどのように描き、進めていくか、大いに注目したい。新名称も未来感あふれる名称にしてほしいものだ。

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