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AO・推薦入試エクストラ4月25日号

2013:AO入試を変更する国公私立大情報

AO入試情報

◆2013:AO入試を変更する国公私立大情報

本年の3月末~4月中旬にかけて判明した2013年度AO入試の変更情報をご紹介する。最終的な情報は、弊社の全国版「AO入試年鑑」(7月中旬)でご確認いただきたい。

  • (1)国立大学
    ■北海道大
    理学部生物科学科でセ試を課さないAOを廃止。
    ■筑波大
    人間学群教育学類、理工学群応用理工学類でAO廃止。
    ■宇都宮大
    唯一実施していた工学部の情報工学科がAO廃止。
    ■東京海洋大
    海洋科学部の食品生産科学科でAO廃止。
    ■福井大
    工学部知能システム工学科で、普通・理数・総合学科枠を廃止。
    ■静岡大
    情報学部情報社会学科で一般枠を廃止(専門枠は存続)。
    ■大阪大
    (1)理学部で研究奨励AO入試を導入。(2)理・工・基礎工学部で国際科学オリンピックAO入試を導入。
    ■神戸大
    発達科学部人間行動科学科で小論文受験方式を廃止。
    ■岡山大
    (1)教育学部中学家庭でAO廃止。(2)理学部は「物理チャレンジ」を除きAO廃止。(3)環境理工学部は「セ試を課さない→課す」に変更。
    ■九州大
    薬学部がAO廃止。
  • (2)公立大学
    ■兵庫県立大
    経済・経営の2学部がセ試を課さないAO廃止。
    ■山口県立大
    全学部ともAO廃止。
  • (3)私立大学

    私立大に関する変更情報はこれから判明し始めるが、次の大学・学部でAO入試の廃止が判明しているので注意してほしい。

    ■東京女子大
    現代教養学部でAO廃止
    ■日本大
    生物資源科学部植物資源科学科でAO廃止。
    ■甲南大
    理工・知能情報・フロンティアサイエンスの3学部でAO廃止。

◆国公私立大・短大別AO入試の実施状況

2012年度現在、弊社の調査によるとAO入試の実施状況(実施率、実施校数/学校数)は下記グラフのとおりとなっている。

 

AO入試の実施状況

 

上記の中で公立大・短大はきわめて実施率が低い。国立大では6割近くが実施するものの、推薦入試と比べ学部数が少ないので注意する必要がある。私立大・短大では、実施率がきわめて高く、AO・推薦・一般の3段階型が定着している。

なお、2013年度、国立大では群馬大(工)が廃止するが、大阪大(理・工・基礎工)が新規実施するので、実施校数は変化しないとみられる。公立大では山口県立大が廃止するので、1校減少する見込み。私立大では統廃合もあり、AO実施校数は前年並みか微増と予測される。

私立短大では、昭和女子大短大部の募集停止(学部化)が判明しているので注意してほしい。

推薦入試情報

◆2013:推薦入試を変更する国公私立大情報

本年の3月末~4月中旬にかけて判明した2013年度推薦入試の変更情報をご紹介する。最終的な情報は、弊社の全国版「推薦入学年鑑」(9月初旬)でご確認いただきたい。

  • (1)国立大学
    ■弘前大
    教育学部学校教育(国語)と理工学部物質創成化学科が推薦廃止。
    ■山形大
    工学部昼の機能高分子工・機械システム工学科と工Fでセ試を課す推薦を導入。
    ■千葉大
    園芸学部応用生命化学科で推薦を新規導入。
    ■東京海洋大
    海洋科学部食品生産科学科で専門課程推薦を新規導入。
    ■岐阜大
    教育学部の音楽教育で推薦廃止。工学部は調査書の点数化を廃止。
    ■名古屋工業大
    工1部電気電子工学科で「セ試を課さない→課す」に変更。
    ■九州工業大
    工・情報工学部でセ試を課す推薦を追加導入。
    ■佐賀大
    医学科が「セ試を課さない→課す」に変更。
    ■長崎大
    工学部で推薦を廃止。
    ■琉球大
    教育学部の小・中学校美術で推薦を廃止。
  • (2)公立大学
    ■静岡県立大
    国際関係学部でセ試を課す推薦を追加導入。
    ■大阪市立大
    商学部の専門高校対象推薦で「セ試免除→課す」に変更。
  • (3)私立大学

    私立大に関する変更情報はこれから判明し始めるが、現在、中央大商学部が自己推薦を廃止するので注意してほしい。

◆国公私立大・短大別推薦入試の実施状況

2012年度現在、弊社の調査によると公募制推薦入試の実施状況(実施校数、実施率)は下記グラフのとおりとなっている。

 

推薦入試の実施状況

 

上記のとおり、公募制推薦入試は実施率が高いだけでなく、実施学部も豊富なのが特徴で、大学入試の中で高い比重を占めている。

2013年度、国立大では新規導入はなく、実施校数は前年どおりとみられる。公立大では秋田公立美術大が実施すれば1校増となる見込み。私立大では統廃合もあり、実施校数は微増にとどまるだろう。公立短大では4大化に伴い1校減の17校。私立短大では今年度も募集停止が数校出る見込みで、実施校数は減少するとみられる。

ニュースフラッシュ

◆学校法人の95.3%が財務情報をHPで公開

大学等の教育情報の公開が法制化されて2年目だが、文科省は昨年10月、財務情報等の一般公開状況に関する調査を実施し、このほど調査結果を公表した。

それによると、私立大学などを運営する学校法人のうち、収支計算書や貸借対照表などの財務情報をホームページ(HP)上で公開しているのは全体の95.3%となり、前年より8.1%増加した。同省は平成17年度より調査を実施しているが、過去5年間の公開率は、次のようになっている。

 

過去5年間の公開率

(注)一般公開は、刊行物への掲載、学内掲示板等への掲示の方法を含む公開の仕方を示す。

 

HPで公開する内容のうち最も多かった項目は貸借対照表で全体の95.2%、収支計算書の公開も94.6%にのぼったが、財産目録や監査報告書の未公開が約1割あった。

一般向けに財務情報を分かりやすく説明する資料を提示したのは553法人で全体の83.0%止まり。グラフや図表を活用した資料の掲載は53.9%、年度ごと数値の変化を示したのは72.5%、学校会計独自の「基本金」など企業会計との違いを説明したのは29%にすぎなかった。

これらの財務情報と定員充足率等を比較検討すれば、生徒の志望校の経営状況をほぼ把握できるはずである。私立学校法では、在学生らの「利害関係者」が求めれば財務情報を公開するよう求めているが、一般向けの公開義務はない。ただ、全入時代を迎えて私立大等の経営環境は厳しさを増しているため、文科省は積極的に公開するよう指導している。

【連載コラム】AO・推薦入試

◆推薦入試(1):入試制度の沿革・概要・現状

昭和30年代、推薦制はすでに私立大の一部で導入されていたが、文科省は1966年(昭和41年)に推薦制と能研テストを柱とする国立大学入試実施要項を発表した。つまり、戦後の大学入試で正規に推薦入学が実施されるようになったのは、1967年度入試からということになる。ちなみに、1970年当時の実施校は、国立大6校、公立大3校、私立大114校に過ぎなかった。その後、次第に増加し、今日では大学入試の主柱の1つとして重要な役割を果たしている。

推薦入試に関する文科省施策の重要な軌道修正をみると、次のようになっている。

(1)1995年度:推薦規制策の実施
公募推薦だけで私立大の志願者が軽く50万人を超えるフィーバーぶりと無秩序なありように対し、文科省は1.推薦定員の制限(大学3割、短大5割以内)、2.実施時期の制限(出願開始11月1日以降)、3.学力検査免除の徹底、という3つの歯止めをかけた。これによって、西日本を中心に?地すべり的な志願減現象”が広がったが、一方ではユニーク推薦拡大の契機ともなった。
(2)2000年度:定員規制の緩和
18歳人口の減少につれて、私立大・短大の定員割れを危惧した文科省は、定員規制を大学5割、短大は撤廃と大幅に緩和。再び推薦入試シフトが強まる。
(3)2007年度:入試区分名称と学力検査に関する修正
文科省は入試実施状況の統計等で用いていた「推薦入学」の名称を「推薦入試」へ変更。「学力検査の免除を徹底」という項目を「原則として免除」という表現に改めた。
(4)2008年度:国立大が推薦定員枠を拡大
それまで推薦定員枠を3割以内としていた国立大は、後期日程の廃止を容認すると同時に、推薦単独または推薦+AOの上限定員を5割へ引き上げた。
(5)2011年度:学力把握措置を明確化
大学入学者選抜実施要項の大幅な改訂によって、推薦入試でも初めて具体的な学力把握措置が義務づけられることになった。

制度の発足から半世紀近い歴史を持つ推薦入試は、高校側の見識に基づき、生徒の高校教育と大学教育とのスムーズな接続を図る上で重要な役割を担い続けてきた。今日の公募推薦は、ユニーク推薦(上位私大群も活発に導入)の拡大と共に複線化・多様化の一途を辿っている。

そして、2012年度現在、推薦入試の実施状況と推薦入学者比率(いずれも指定校制含む)は次のようになっている。

  • <実施状況>国立大82校中76校(92.7%)、公立大80校中78校(97.5%)、私立大573校中570校(99.5%)、公立短大18校中18校(100%)、私立短大330校中330校(100%)
  • <入学者比率>国立大12.5%、公立大23.7%、私立大40.7%、公立短大43.2%、私立短大61.9%

国公私大を問わず、推薦入試が大きな比重を占めており、高校進路指導でも推薦対策の充実化が不可欠である。推薦入試は「高校3年間の充実した生活」が決め手。できる限り、高校1・2年次の早期からガイド・助言を徹底するのが望ましい。また、国公私大ごと、推薦入試の実施形態は異なるが、それに関しては弊社の全国版「推薦入学年鑑」を参照してほしい。

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