フリーターやニートの増加が問題視され、今、単なる就職支援とは違う「キャリア形成支援」という名の進路指導をカリキュラムに組み入れる大学・短期大学が増えている。「キャリア形成支援」は、自分の適性や能力に応じて、生涯にわたってキャリアを形成していくための教育。社会に出てから通用する能力を高めることを目的としている。いつから、何をすればいいのか考えてみよう。
キャリア(CAREER)とは「経歴、生涯、専門的な職業、発展、出世、疾走」を意味することば。キャリアの形成というように使う場合は、単に職歴ではなく、「生涯にわたって継続する人間的な成長」という広い意味になる。つまり、大学の「キャリア形成支援」とは単なる就職指導ではなく、学生一人ひとりが将来設計をして、社会で通用する能力を高めるための教育をいう。
職業的な能力として求められるスキルは「テクニカルスキル(職務能力)」「ヒューマンスキル(人間関係に関する能力)」「コンセプチュアルスキル(概念的能力)」と言われている。これらのスキルを高め、自分の目標や希望を達成しながら、自分自身も収入も増えることで、よりよい未来を手に入れる。それがキャリア形成の目的だ。
今、キャリア形成を支援する方法の一つとして「インターンシップ」が注目されている。インターンシップとは、在学中に民間企業や地方公共団体、NPOなどで一定期間、将来のキャリアに関連する仕事に就くことを言う。その目的は、働くことや職業に対する意識を高めるためだ。
インターンシップは学生を受け入れる組織の事情によって、
など、さまざまなパターンがある。仕事の現場を「見る」だけにとどまるものから、仕事を体験できるようなプログラムに参加したり、学生だけで共同研究をしたりするほか、ビジネスの現場で実践を積むものまで多種多様だ。いくつかのパターンを組み合わせて独自のプログラムを用意している企業などもある。
アルバイトは「労働力」を補うために企業が募集するもので、仕事に対する報酬がある。インターンシップは、企業などが学生に「働く」体験をする機会を1~2週間程度与え、仕事や企業に対する理解を深め、将来のキャリアプランに役立てることが目的。スタッフ同様に一定期間働くが、仕事に対する報酬はない。
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