美容師という仕事はとても華やかに見えますか？

僕は、とてもカッコイイ仕事だと思ってました。

オシャレでカッコよくて、モテて、お客さんとたくさんおしゃべりできて、

とても楽しそうな仕事だと思ってました。

実際、そういう仕事だと思います。

でも、そこに至るまでには大変な努力と、苦難を乗り越える根性が必要でした。

アシスタントとして入社して、右も左もわからない。

安い給料、長い拘束時間。

お客さまに直接触れる仕事なので、失敗は許されないし、

大変気を使う仕事です。

もちろん楽しいことだってたくさんあります。

人のオシャレをお手伝いする仕事ですから、自分自身もオシャレに気を使わなければなりません。

オシャレが好きなら、思う存分オシャレしていいのです。

また、今までだったらなかなか知り合えないような人たちともたくさん知り合うことができました。

美容師という仕事は、クリエイティブさも必要とされるお仕事なので、

必然的にクリエイティブ関係のお仕事の方々とも知り合う機会があります。

これはかなり刺激になりました。

そして本当にいろんな分野の方々がお客さまとしてお店にいらっしゃるので、

そういう方々とお話をしたり、仲良くなったりすることで、

自分の人生や人間としての幅がとても広がりました。

また、職場は、とても個性的な人たちばかりで、

そういう人たちと生活のほとんどを共に過ごすわけですから、

いろんな意味で、今までの人生になかった影響を受けました。

美容師という仕事は、僕は裏方のお仕事だと思ってます。

この世の中で生活しているたくさんの人たち。

その一人ひとりが、毎日の生活をより楽しく快適に生活するためのお手伝いをするお仕事。

髪型がバッチリ決まって、上手にメイクできて、

１日の生活に、いつもより少しハリがでる。楽しくなる。

美容室に来ることで、いつもよりちょっとだけ生活が楽しくなる。

主役はお客さま。

そんなほんの少しのお手伝いをするお仕事。

お店を出ていかれるときに、来たときよりもちょっとだけ、

幸せな顔をしてもらえたらすごく嬉しい。

それがこの仕事の楽しさかなぁと最近よく思います。

お客さまのそんな顔を見るために、

最初はけっこう大変。

自分の時間を犠牲にして、毎日練習。

できなくて、怒られて、できるようになるために練習。

お客さまの望んだカタチにならなくて、悔しくて、また練習。

練習、練習、練習。

練習してできるようになったら、喜んでくれるお客さまが一人、また一人と増えていく。

そうなれるまでは苦しい日々かもしれませんね。

でもその先には、人を幸せにするという無上の喜びが待っています。